下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

マンション管理士 過去問解説 令和4年 問35

【問 35】 甲マンション管理組合の令和3年度(令和3年4月1日から令和4年3月31日まで)の収支予算案に関し、令和3年4月に開催された理事会において、会計担当理事が行った次の説明のうち、適切でないものはいくつあるか。なお、甲マンションの管理規約は標準管理規約の定めと同一であり、会計処理は発生主義の原則によるものとする。

ア 令和3年度の収支予算案は、通常総会で承認を得なければなりませんが、年度途中における収支予算の変更は、理事会限りで承認することができます。

イ 令和3年2月の大雪による修繕費を令和2年度の決算処理で未払金に計上しましたが、実際の支払は令和3年4月になるため、この修繕費は令和3年度の収支予算案に入れることになります。

ウ 令和2年度に組合員Aの管理費が未納であったため未収金に計上しましたが、将来不足が生じないように令和3年度の収支予算案に令和2年度未収分を上乗せして管理費を予算化しています。

エ 令和2年度に大規模修繕工事が完了し、今後十数年は大規模修繕が見込まれないため、修繕積立金会計から生じる予定の余剰金を管理費会計の令和3年度収支予算案に繰り入れます。

1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ

【解答及び解説】

【問 35】 正解 4

ア 不適切。収支予算を変更しようとするときは、理事長は、その案を「臨時総会」に提出し、その承認を得なければならない。
*標準管理規約58条2項

イ 不適切。会計処理は発生主義の原則によるとされているので、修繕費は令和2年に未払金として計上されており、この修繕費を令和3年度の収支予算案に入れるべきではない。
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ウ 不適切。会計処理は発生主義の原則によるとされているので、令和2年度の管理費の未納は令和2年に計上されており、令和3年度の収支予算案に令和2年度未収分を上乗せして管理費を予算化することはできない。

エ 不適切。修繕積立金については、管理費とは区分して経理しなければならない。したがって、修繕積立金の余剰金を管理費会計の収支予算案に繰り入れることはできない。
*標準管理規約28条5項

以上より、ア~エの4つはすべて不適切であり、正解は肢4となる。


【解法のポイント】この問題は、個数問題ではありましたが、基本的なものだったと思います。