下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。
マンション管理士 過去問解説 令和4年 問29
【問 29】 甲マンション103号室については、当該住戸に居住しているAと、外部に居住しているBの共有となっている。また、総会に先立ち、あらかじめBを議決権行使者とする理事長への届出がなされている。この場合において、総会運営における103号室の取扱いに関する次の記述のうち、標準管理規約によれば、適切でないものはどれか。
1 Bが通知先としてその住所を管理組合に届け出ていない場合には、総会の招集の通知は103号室あてに発することで、招集手続として有効である。
2 A及びBがともに総会を欠席したが、Aが議決権行使書を提出していた場合には、定足数の確認においては、103号室の組合員を「出席」と扱ってよい。
3 Aが総会に出席し、Bが議決権行使書を提出していた場合には、Aの総会の場での賛否の意思表示にかかわらず、Bが提出した議決権行使書の内容を、103号室の賛否とする。
4 甲マンションの他の組合員Cを代理人として議決権を行使しようとする場合には、Bを委任者、Cを受任者とする委任状を作成し、理事長に提出する必要がある。
【解答及び解説】
【問 29】 正解 2
1 適切。総会の招集通知は、管理組合に対し組合員が届出をしたあて先に発するものとする。ただし、その届出のない組合員に対しては、対象物件内の専有部分の所在地あてに発するものとする。
*標準管理規約43条2項
2 不適切。AB間で、Bを議決権行使者とし、その旨を理事長へ届け出ている以上、総会においては、Aの議決権行使書の提出で、103号室の組合員を「出席」と扱うのは適切ではない。
*標準管理規約46条3項
3 適切。AB間で、Bを議決権行使者とし、その旨を理事長へ届け出ている以上、総会においては、Aの総会の場での賛否の意思表示にかかわらず、Bが提出した議決権行使書の内容を、103号室の賛否とすることは適切である。
*標準管理規約46条3項
4 適切。委任状は、組合員本人が総会に出席せずに議決権の行使をする方法である。したがって、議決権行使者であるBを委任者、Cを受任者とする委任状を作成し、理事長に提出する必要がある。
*標準管理規約46条関係コメント⑥参照
【解法のポイント】この問題は、それなりに考えさせる問題だと思いますが、それほど難しくはなかったと思います。