下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

マンション管理士 過去問解説 令和3年 問39

【問 39】 「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」(平成23年4月国土交通省公表)に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

1 修繕積立金の均等積立方式は、安定的な積立てが可能な方式であるが、段階増額積立方式と比べて多額の資金を管理する状況が生じる点に、留意が必要である。

2 段階増額積立方式は、計画どおりに増額しようとする際に区分所有者間の合意形成ができず修繕積立金が不足する場合がある点に、留意が必要である。

3 超高層マンション(一般に20階以上)は、戸数、面積が同程度のそれ以外のマンションと比べて、修繕工事費が安くなる傾向にある。

4 新築マンションにおいて、配管にステンレス管やプラスチック管を使用することは、給排水管に関する修繕工事費の抑制に有効である。

【解答及び解説】

【問 39】 正解 3

1 適切。均等積立方式の留意点としては、修繕資金需要に関係なく均等額の積立金を徴収するため、段階増額積立方式に比べ、多額の資金を管理する状況が生じることである。
*マンションの修繕積立金に関するガイドライン

2 適切。段階増額積立方式の留意点としては、将来の負担増を前提としており、計画どおりに増額しようとする際に区分所有者間の合意形成ができず修繕積立金が不足する場合があることである。
*マンションの修繕積立金に関するガイドライン

3 不適切。超高層マンション(一般に20階以上)は、外壁等の修繕のための特殊な足場が必要となるほか、共用部分の占める割合が高くなる等のため、修繕工事費が増大する傾向にある。
*マンションの修繕積立金に関するガイドライン

4 適切。共用の給水管や排水管については、配管や継手部分の内部が腐食することから、これらを洗浄・研磨し、再度コーティングする“更生工事”や、“更新(取替え)工事”が必要になります。近年の新築マンションでは、ステンレス管やプラスチック管等の腐食しにくい材料が使われており、それにより更生工事の必要性が低下し、取替え工事も遅らせることができるようになっていることから、給排水管に関する修繕工事費は少なくて済むようになる傾向があります。
*マンションの修繕積立金に関するガイドライン


【解法のポイント】この問題は、分かりやすい問題だったのではないかと思います。十分過去問で対応できます。