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マンション管理士 過去問解説 令和3年 問35

【問 35】 管理組合及び管理組合法人の税金に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。ただし、「収益事業」とは法人税法(昭和40年法律第34号)第2条第13号及び法人税法施行令(昭和40年政令第97号)第5条第1項に規定されている事業を継続して事業場を設けて行うものをいう。

1 移動体通信事業者との間で携帯電話基地局設置のため、屋上の使用を目的とした建物賃貸借契約を結び設置料収入を得ている管理組合の行為は、収益事業の不動産貸付業に該当する。

2 収益事業を行っている管理組合法人は、法人税が課税されるが、管理組合法人の場合、法人税法上、公益法人等とみなされ、法人税率については、法人でない管理組合よりも低い税率が適用される。

3 駐車場が恒常的に空いているため、区分所有者及び区分所有者以外の者に対して、募集は両者を分けず広く行い、利用方法は区分所有者の優先性を設けず、常に同一条件で駐車場の賃貸を行っている管理組合の場合、区分所有者に対する賃貸及び区分所有者以外の者に対する賃貸は、すべてが収益事業に該当するため法人税が課税される。

4 消費税法(昭和63年法律第108号)上、課税期間の基準期間(前々事業年度)における課税売上高が1,000万円以下であっても、その課税期間の特定期間(前事業年度開始の日以後6月の期間)における課税売上高が1,000万円を超えた場合は、消費税の納税義務は免除されない。

【解答及び解説】

【問 35】 正解 2

1 適切。建物の一部を他の者に使用させ、その対価を得た場合には、収益事業の不動産貸付業に該当し、本肢行為はこれに該当する。

2 不適切。管理組合は、法人化されている場合も、法人化されていない場合も、法人税法上、公益法人等とみなされ、法人税率について差はない。

3 適切。駐車場について、「区分所有者及び区分所有者以外の者に対して、募集は両者を分けず広く行い、利用方法は区分所有者の優先性を設けず、常に同一条件で駐車場の賃貸を行っている」場合、区分所有者に対する優先性がまったく見られず、管理業務の一環としての「共済的事業」とは認められず、市中の有料駐車場と同様の駐車場業を行っているものと考えられる。したがって、区分所有者に対する使用と区分所有者以外の者に対する使用を区分することなく、その全体が収益事業たる駐車場業に該当することとなる。
*国住マ第43号(平成24年2月3日)

4 適切。課税期間の基準期間における課税売上高が1,000万円以下であっても、その課税期間の特定期間における課税売上高が1,000万円を超えた場合は、消費税の課税事業者となり、納税義務は免除されない。


【解法のポイント】この問題は、肢3のようなややこしい話もありますが、全部過去問で出題されている範囲ですので、確実に正解して下さい。