下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

マンション管理士 過去問解説 令和2年 問49

【問 49】 次の記述は、「マンションの管理の適正化に関する指針」(最終改正平成28年3月14日国土交通省告示第490号)において定められている「マンションの管理の適正化の基本的方向」に関するものであるが、適切なものはいくつあるか。

ア マンションの管理の主体は、マンションの区分所有者等で構成される管理組合であり、管理組合は、マンションの区分所有者等の意見が十分に反映されるよう、また、長期的な見通しを持って、適正な運営を行うことが重要である。

イ 管理組合を構成するマンションの区分所有者等は、管理組合の一員としての役割を十分確認して、管理組合の運営に関心を持ち、積極的に参加する等、その役割を適切に果たすよう努める必要がある。

ウ マンションの管理は、専門的な知識や信頼を必要とすることが多いため、管理組合は、問題に応じ、マンション管理士等専門的知識を有する者の支援を得ながら、主体性をもって適切な対応をするよう心がけることが重要である。

エ マンションの状況によっては、外部の専門家が、管理組合の管理者等又は役員に就任することも考えられるが、その場合には、マンションの区分所有者等が当該管理者等又は役員の選任や業務の監視等を適正に行うとともに、監視・監督の強化のための措置等を講じることにより適正な業務運営を担保することが重要である。

1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ

【解答及び解説】

【問 49】 正解 4

ア 適切。マンションの管理の主体は、マンションの区分所有者等で構成される管理組合であり、管理組合は、マンションの区分所有者等の意見が十分に反映されるよう、また、長期的な見通しを持って、適正な運営を行うことが重要である。
*適正化指針一1

イ 適切。管理組合を構成するマンションの区分所有者等は、管理組合の一員としての役割を十分認識して、管理組合の運営に関心を持ち、積極的に参加する等、その役割を適切に果たすよう努める必要がある。
*適正化指針一2

ウ 適切。マンションの管理は、専門的な知識を必要とすることが多いため、管理組合は、問題に応じ、マンション管理士等専門的知識を有する者の支援を得ながら、主体性をもって適切な対応をするよう心がけることが重要である。
*適正化指針一3

エ 適切。マンションの状況によっては、外部の専門家が、管理組合の管理者等又は役員に就任することも考えられるが、その場合には、マンションの区分所有者等が当該管理者等又は役員の選任や業務の監視等を適正に行うとともに、監視・監督の強化のための措置等を講じることにより適正な業務運営を担保することが重要である。
*適正化指針一4

以上より、ア~エは、4つともすべて適切であるから、肢4が正解となる。


【解法のポイント】毎年、必ず1問くらい同じようなことを書かされますが、本問のウについては、適正化指針の原文は、「専門的な知識を必要とする」となっています。ところが、問題文は、「専門的な知識『や信頼』を必要とする」というふうに、「信頼」という言葉が入ってきています。問題の趣旨は、適正化指針の文章を一言一句丸暗記しなさい、ということではないと思いますので、内容的に問題がなければ「適切」とすればいいだけでしょう。そして、この場合の「信頼」というのは、単なる問題作成時の文章の「写し間違い」にすぎないと思います。しかし、この「信頼」というのは、誰の誰に対する信頼か意味が分からない言葉なので、「不適切」あるいは「不自然」な文章です。この「信頼」という言葉で「不適切」と判断する人はあまりいないと思いますが、それこそ「不適切」な出題です。同じことは、イの問題文の「役割を十分『確認』して」は、原文では「役割を十分『認識』して」の違いにも言えますが、これについては、十分意味が通じるので問題はありません。いずれにしても、一体本試験の問題の校正体制はどうなっているんでしょう。