下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

マンション管理士 過去問解説 令和2年 問30

【問 30】 管理組合の書類等について閲覧請求があった場合の理事長の対応に関する次の記述のうち、標準管理規約によれば、適切でないものはいくつあるか。

ア 専有部分の賃借人から、総会議事録の閲覧請求があったが、理由を付した書面による請求ではなかったため、閲覧を認めなかった。

イ 組合員から、修繕工事の契約方法に疑問があるためとの理由を付した書面により、修繕工事請負契約書の閲覧請求があったので、閲覧を認めた。

ウ 組合員から、役員活動費に係る会計処理を詳しく調べたいためとの理由を付した書面により、会計帳簿に加えこれに関連する領収書や請求書の閲覧請求があったが、会計帳簿のみの閲覧を認めた。

エ 組合員から、理事長を含む理事全員の解任を議題とする総会招集請求権行使のためとの理由を付した書面により、組合員名簿の閲覧請求があったが、閲覧を認めなかった。

1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ

【解答及び解説】

【問 30】 正解 3

ア 不適切。理事長は、総会の議事録を保管し、組合員又は利害関係人の書面による請求があったときは、議事録の閲覧をさせなければならない。専有部分の賃借人は利害関係人に該当するが、この閲覧請求は「理由を付した書面」で行う必要はない。
*標準管理規約49条3項

イ 適切。理事長は、会計帳簿、什器備品台帳、組合員名簿及びその他の帳票類を作成して保管し、組合員又は利害関係人の理由を付した書面による請求があったときは、これらを閲覧させなければならない。この作成、保管すべき帳票類としては、領収書や請求書、管理委託契約書、「修繕工事請負契約書」、駐車場使用契約書、保険証券などがある。
*標準管理規約64条1項、同コメント②

ウ 不適切。理事長は、「会計帳簿」、什器備品台帳、組合員名簿及びその他の帳票類を作成して保管し、組合員又は利害関係人の理由を付した書面による請求があったときは、これらを閲覧させなければならない。この作成、保管すべき帳票類としては、「領収書や請求書」、管理委託契約書、「修繕工事請負契約書」、駐車場使用契約書、保険証券などがある。
*標準管理規約64条1項、同コメント②

エ 不適切。理事長は、会計帳簿、什器備品台帳、「組合員名簿」及びその他の帳票類を作成して保管し、組合員又は利害関係人の理由を付した書面による請求があったときは、これらを閲覧させなければならない。
*標準管理規約64条1項

以上より、適切でないものは、ア、ウ、エの3つであり、肢3が正解となる。


【解法のポイント】この問題は、個数問題であり、イとウはコメントからの細かい内容の出題ですから、ちょっと迷った方もいるかもしれません。常識的に判断できると思いますが、やはり標準管理規約はコメントも含めてしっかり読み込んでおく必要があります。