下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

マンション管理士 過去問解説 令和元年 問29

【問 29】 管理組合の総会及び理事会の決議に関する次の記述のうち、標準管理規約によれば、適切なものはどれか。

1 理事会において総会に提出する規約変更案を決議する場合には、理事総数の4分の3以上の賛成が必要である。

2 総会の前の日に共用部分の漏水で緊急に工事が必要となった場合、理事長が、総会当日に理事会を開催し、工事の実施等を議案とする旨の決議を経て総会に提出したとしても、その総会で緊急の工事の実施を決議することはできない。

3 各戸の議決権割合が同一である管理組合で、書面決議をすることにつきあらかじめ全員の承諾を得ている普通決議事項の議案は、総戸数の過半数の賛成書面が集まらなければ可決とはならない。

4 理事長は、通常総会を、毎年1回新会計年度開始以後1か月以内に招集しなければならない。

【解答及び解説】

【問 29】 正解 2

1 不適切。理事会の会議は、理事の半数以上が出席しなければ開くことができず、その議事は出席理事の過半数で決する。これは規約変更案でも同様である。4分の3以上の賛成が必要なのは、総会においてである。
*標準管理規約53条1項

2 適切。総会においては、総会の招集通知によりあらかじめ通知した事項についてのみ、決議することができる。そして、総会を招集するには、少なくとも会議を開く日の2週間前までに、会議の日時、場所及び目的を示して、組合員に通知を発しなければならないので(標準管理規約43条1項)、総会「当日」に理事会を開催し、工事の実施等を議案とする旨の決議を経て総会に提出したとしても、その総会で緊急の工事の実施を決議することはできない。
*標準管理規約47条10項

3 不適切。規約により総会において決議をすべき場合において、組合員全員の承諾があるときは、書面による決議をすることができる。そして、総会に関する規定は、書面による決議について準用されているので、提出された書面が議決権総数の半数以上で、そのうちの議決権の過半数で決することになる。「総戸数」の過半数の賛成書面までは必要ない。
*標準管理規約50条

4 不適切。理事長は、通常総会を、毎年1回新会計年度開始以後「2か月」以内に招集しなければならない。
*標準管理規約42条3項


【解法のポイント】本問は、肢3がちょっと気を付ける必要がありますが、全体としては基本的な問題だったと思います。