下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。
マンション管理士 過去問解説 令和元年 問2
【問 2】 規約により建物の敷地とされた土地に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。
ア 規約により建物の敷地とすることができる土地には、区分所有者が建物及び建物が所在する土地と一体として管理又は使用をする庭、通路、駐車場等の土地も含む。
イ 規約により建物の敷地とされた土地の管理は、民法(明治29年法律第89号)の定めるところによるのであり、区分所有法の定めるところによるのではない。
ウ 建物の所在する土地が建物の一部の滅失により建物が所在する土地以外の土地となったときは、その土地は、規約で建物の敷地と定められたものとみなされる。
エ 建物が所在する土地の一部が分割により建物が所在する土地以外の土地となったときは、その土地は、改めて規約で定めなければ建物の敷地とすることができない。
1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ
【解答及び解説】
【解法のポイント】この問題は、肢イがちょっと出題の趣旨がわかりにくい文章ですが、それほど問題はなかったと思います。
【問 2】 正解 2
ア 正しい。区分所有者が建物及び建物が所在する土地と一体として管理又は使用をする庭、通路その他の土地は、規約により建物の敷地とすることができる。
*区分所有法5条1項
イ 誤り。区分所有法において「建物の敷地」とは、建物が所在する土地及び規約により建物の敷地とされた土地をいう(区分所有法2条5項)。したがって、規約により建物の敷地とされた土地は、区分所有法上、「建物の敷地」に該当する。そして「建物の敷地」又は共用部分以外の附属施設(これらに関する権利を含む。)が区分所有者の共有に属する場合には、第17条から第19条までの規定(共用部分に関する規定)は、その敷地又は附属施設に準用されている。したがって、規約により建物の敷地とされた土地の管理は、区分所有法の定めるところによるのであり、民法の定めるところによるのではない。
*区分所有法21条
ウ 正しい。建物が所在する土地が建物の一部の滅失により建物が所在する土地以外の土地となったときは、その土地は、規約で建物の敷地と定められたものとみなす。
*区分所有法5条2項
エ 誤り。建物が所在する土地の一部が分割により建物が所在する土地以外の土地となったときは、その土地は、規約で建物の敷地と定められたものとみなす。改めて規約で定める必要はない。
*区分所有法5条2項
以上より、正しいものは、ア及びウの2つであり、正解は肢2となる。【解法のポイント】この問題は、肢イがちょっと出題の趣旨がわかりにくい文章ですが、それほど問題はなかったと思います。