下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

マンション管理士 過去問解説 平成30年 問39

【問 39】 マンションの修繕工事に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

1 タイル張り外壁の浮き部分の補修では、アンカーピンニング部分エポキシ樹脂注入工法の方が、注入口付きアンカーピンニング部分エポキシ樹脂注入工法よりも、ピンニングの箇所数が多くなる。

2 ポリマーセメントモルタル充てん工法は、コンクリート表面の剥がれや剥落の発生している欠損部の改修工法であり、表面の軽微な欠損部に適用する。

3 屋上の保護アスファルト防水の改修では、既存防水層を撤去し新たな防水層を施工することが一般的である。

4 ウレタンゴム系塗膜防水材を用いた塗膜防水は、開放廊下やバルコニーに適用することができる。

【解答及び解説】

【問 39】 正解 3

1 適切。タイル張り外壁の浮き部分の補修工法である「注入口付き」アンカーピンニング部分エポキシ樹脂注入工法では、アンカーピンでコンクリート躯体と浮いたタイル層を固定した上で、注入口付きアンカーピンによりタイルの浮き部分にエポキシ樹脂を注入するので、ピンニングの箇所数は少なくすることができる。したがって、アンカーピンニング部分エポキシ樹脂注入工法の方が、「注入口付き」アンカーピンニング部分エポキシ樹脂注入工法よりも、ピンニングの箇所数が多くなる。

2 適切。ポリマーセメントモルタル充てん工法は、コンクリート表面の剥がれや剥落の発生している欠損部の改修工法であり、表面の軽微なはがれや欠損部が比較的浅い場合に適用される。

3 不適切。屋上の保護アスファルト防水の改修では、既存防水層を撤去し新たな防水層を施工する全面撤去方式と、既存の防水層を残すかぶせ方式があるが、全面撤去方式をとると、工事期間中の雨対策、解体時の騒音、撤去費用等が問題となるので、必ずしも全面撤去方式が一般的であるとはいえない。

4 適切。ウレタンゴムは、合成ゴムの弾性とプラスチックの剛性を併せ持ち、合成ゴムの中で耐摩耗性が一番あるので、ウレタンゴム系塗膜防水材を用いた塗膜防水は、開放廊下やバルコニーに適用することができる。


【解法のポイント】肢1はかなり難しい問題だったと思いますが、正解肢の肢3は、類似の問題が出題されています(平成17年 問38 肢1)。建築、建築設備系の問題は、勉強のしづらさを感じておられる方が多いと思いますが、しっかり過去問を勉強していれば、満点は取れなくても、合格レベルに到達することはできます。過去問というのは、「範囲が限定」されているので、ここに合格のヒントがあると思います。