下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

マンション管理士 過去問解説 平成30年 問36

【問 36】 マンションの建物及び設備の維持管理に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

1 大規模修繕工事前に実施する調査・診断の一環として、竣工図書、過去に行った調査・診断結果、修繕履歴等の資料調査を行う。

2 予防保全の考え方にたって、計画的に建物及び設備の点検、調査・診断、補修・修繕等を行い、不具合や故障の発生を未然に防止することとした。

3 建築基準法第12条第1項に規定する特定建築物の定期調査のうち、竣工後3年以内に実施する外壁タイルの調査は、目視により確認する方法で足りる。

4 中低層鉄筋コンクリート造の既存マンションに対して一般的に行われている耐震診断の評価方法には、計算のレベルが異なる第1次診断法、第2次診断法及び第3次診断法があるが、第1次診断法は、簡易な診断法であるため、耐震性能があると判定するための構造耐震判定指標の値が高く設定されている。

【解答及び解説】

【問 36】 正解 3

1 適切。大規模修繕工事前に実施する調査・診断の一環として、建物や設備の劣化状況等の現状を把握するため、竣工図書、過去に行った調査・診断結果、修繕履歴等の資料調査を行うことは適切である。

2 適切。維持保全の実施方法のうち、予防保全は、計画的に対象物の点検、調査・診断、補修、修繕等を行い、故障や不具合を未然に防止するために行う保全であるが、安全で快適な住まいを維持する上で、また、建物の耐久性を延ばす上で不可欠である。

3 不適切。特定建築物の定期調査のうち、外壁タイルの調査は、開口隅部、水平打継部、斜壁部等のうち手の届く範囲をテストハンマーによる打診等により確認し、その他の部分は必要に応じて双眼鏡等を使用し目視により確認し、異常が認められた場合にあっては、落下により歩行者等に危害を加えるおそれのある部分を全面的にテストハンマーによる打診等により確認する。

4 適切。耐震性能があると判定するための構造耐震判定指標は、一般的には第1次診断法の場合は0.8,第2次診断法及び第3次診断法の場合は0.6となっており、第1次診断法の値が高く設定されている。


【解法のポイント】この問題は、肢3か、肢4かは難しかったと思います。建築基準法第12条第1項に規定する定期調査の検査の内容は、量が多いので、全部を覚えきるのは難しいとは思いますが、過去問に何度か出題されているので一度は目を通しておいた方がいいかもしれません。