下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

マンション管理士 過去問解説 平成30年 問34

【問 34】 平成30年4月に行われた甲マンション管理組合の理事会において、会計担当理事が行った平成29年度決算(会計年度は4月から翌年3月まで)に関する次の説明のうち、適切なものはどれか。ただし、会計処理は発生主義の原則によるものとし、資金の範囲は、現金預金、未収金、前払金、未払金及び前受金とする。

1 平成28年度決算の貸借対照表に計上されていた管理費の未収金10万円のうち、7万円が平成30年3月に入金されましたが、平成29年度決算の貸借対照表の正味財産の増減には影響がありません。

2 平成30年3月に、組合員Aから翌4月分の管理費4万円が入金されたため、平成29年度決算の貸借対照表の正味財産が4万円増加しています。

3 平成30年3月に実施した植栽保守に要した費用9万円については翌4月に支払うこととしたため、平成29年度決算の貸借対照表の正味財産の増減には影響がありません。

4 平成30年3月に、翌4月実施予定の清掃費用3万円を支払ったため、平成29年度決算の貸借対照表の正味財産が3万円減少しています。

【解答及び解説】

【問 34】 正解 1

1 適切。平成28年度決算の貸借対照表に計上されていた管理費の未収金10万円は、貸借対照表上は資産として計上されているはずであり、そのうち7万円が平成30年3月に入金されたとしても、それは現金預金として資産に計上されるだけであるから、平成29年度決算の貸借対照表の正味財産の増減には影響はない。

2 不適切。平成30年3月に、組合員Aから翌4月分の管理費4万円が入金されれば、資産として現金預金が増加するが、反面それは前受金になるので、負債も同額だけ増えることになる。したがって、平成29年度決算の貸借対照表の正味財産が増加することはない。

3 不適切。植栽保守は平成30年3月に実施されているので、その時点で未払金として貸借対照表上は負債に計上されているはずであるが、支払いは翌4月であるから資産である現金預金は減少していない。したがって、その費用9万円分について正味財産が減少する。

4 不適切。平成30年3月に、翌4月実施予定の清掃費用3万円を支払えば、資産としての現金預金は減少するが、他方、その分前払金という資産が増加するので、貸借対照表の正味財産が減少することはない。


【解法のポイント】本問は、「正味財産=資産-負債」という関係が分かっていれば、容易に解答できたと思います。