下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

マンション管理士 過去問解説 平成30年 問31

【問 31】 団地管理組合や各棟の区分所有者が行うことができる行為に係る次の記述のうち、「マンション標準管理規約(団地型)及びマンション標準管理規約(団地型)コメント」(最終改正平成30年3月30日国住マ第60号)によれば、適切でないものはどれか。

1 団地内のA棟内で、A棟の区分所有者が騒音、臭気等により共同の利益に反する行為を行っている場合に、区分所有法第57条により当該行為の停止を求める訴訟を提起する際には、訴えの提起及び訴えを提起する者の選任を、A棟の棟総会で決議する必要がある。

2 団地管理組合の使用細則で、共用廊下には団地管理組合の承諾なく物置を設置することが禁止されている場合、当該行為をしているB棟の区分所有者に対しては、理事長が、理事会の決議を経て、その是正等のため必要な勧告又は指示若しくは警告を行うことができる。

3 バルコニーを無断改造してサンルームを設置しているC棟の区分所有者に対し、共同の利益に反する行為を停止させるための訴訟を提起する場合、その訴訟の実施に必要となる弁護士費用を団地管理組合の管理費から拠出することについてはC棟の棟総会の決議で足りる。

4 団地の近所に住んでいる者が、団地管理組合の許可なく団地内の敷地に不法駐車をしているときは、理事長は、理事会の決議を経て、その自動車の撤去及び損害賠償を請求する訴訟を提起することができる。

【解答及び解説】

【問 31】 正解 3

1 適切。区分所有法第57条第2項(共同の利益に反する行為の停止等の請求)の訴えの提起及びこれらの訴えを提起すべき者の選任については、棟総会の決議を経なければならない。
*標準管理規約団地型72条2号

2 適切。団地建物所有者が、法令、規約又は使用細則等に違反したとき、又は対象物件内における共同生活の秩序を乱す行為を行ったときは、理事長は、理事会の決議を経てその団地建物所有者等に対し、その是正等のため必要な勧告又は指示若しくは警告を行うことができる。
*標準管理規約団地型77条1項

3 不適切。共同の利益に反する行為を停止させるための訴訟を提起するには、棟総会の決議で足りるが、弁護士費用を団地管理組合の管理費から拠出するには、団地総会の決議を経なければならない。

4 適切。団地建物所有者等以外の第三者が土地、団地共用部分及び附属施設において不法行為を行ったときは、理事長は、理事会の決議を経て、行為の差止め、排除又は原状回復のための必要な措置の請求及び損害賠償金の請求に関し、団地建物所有者のために、訴訟の原告又は被告になること、その他法的措置をとることができる。
*標準管理規約団地型77条3項


【解法のポイント】正解肢の肢3は、肢1との比較で盲点をつくなかなかよい問題です。ただ、その他の肢はできないといけないので、消去法でも正解は導けたと思います。