下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

マンション管理士 過去問解説 平成30年 問29

【問 29】 理事会に関する次の記述のうち、標準管理規約によれば、適切なものはどれか。ただし、会議の目的が建替え決議又はマンション敷地売却決議ではない場合とする。

1 理事長が理事会を招集するためには、少なくとも会議を開く日の2週間前までに会議の日時、場所及び目的を示して理事に通知すれば足りる。

2 組合員が組合員総数及び議決権総数の5分の1以上に当たる組合員の同意を得て、会議の目的を示して総会の招集を請求した場合は、理事長は、臨時総会の招集の通知を発しなければならないが、通知を発することについて理事会の決議を経ることを要しない。

3 理事会の招集手続については、総会の招集手続の規定を準用することとされているため、理事会においてこれと異なる定めをすることはできない。

4 理事会には理事本人が出席して、議論に参加し、議決権を行使することが求められているので、理事会に出席できない理事について、書面をもって表決することを認める旨を規約で定めることはできない。

【解答及び解説】

【問 29】 正解 2

1 不適切。理事会を招集するには、少なくとも会議を開く日の2週間前(会議の目的が建替え決議又はマンション敷地売却決議であるときは2か月前)までに、会議の日時、場所及び目的を示して、理事及び「監事」に通知を発しなければならない。理事会の招集は、理事会への出席義務がある監事(標準管理規約41条4項)にも通知する必要がある。
*標準管理規約52条4項

2 適切。組合員が組合員総数の5分の1以上及び議決権総数の5分の1以上に当たる組合員の同意を得て、会議の目的を示して総会の招集を請求した場合には、理事長は、2週間以内にその請求があった日から4週間以内の日を会日とする臨時総会の招集の通知を発しなければならない。この場合に理事会の決議が必要である旨の規定はない。
*標準管理規約46条1項

3 不適切。理事会の招集手続については、総会の招集手続の規定が準用されているが、理事会において別段の定めをすることができる。
*標準管理規約52条4項

4 不適切。理事は、総会で選任され、組合員のため、誠実にその職務を遂行するものとされている。このため、理事会には本人が出席して、議論に参加し、議決権を行使することが求められるのが原則である。しかし、理事がやむを得ず欠席する場合には、代理出席によるのではなく、事前に議決権行使書又は意見を記載した書面を出せるようにすることが考えられる。これを認める場合には、理事会に出席できない理事が、あらかじめ通知された事項について、書面をもって表決することを認める旨を、規約の明文の規定で定めることが必要である。
*標準管理規約53条関係コメント④


【解法のポイント】肢1は、何気なく問題文を読んでいると「問題なし」ということで「◯」としそうなので要注意です。肢2は、理事長が行う行為について、理事会の決議又は承認が必要かどうかは意外によく出題されますので、これも要注意です。