下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

マンション管理士 過去問解説 平成30年 問11

【動画解説】法律 辻説法

【問 11】 大規模な火災、震災その他の災害で政令で定めるものにより、区分所有建物の全部が滅失した場合における、被災区分所有建物の敷地共有者等の集会に関する次の記述のうち、被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法(平成7年法律第43号)の規定によれば、誤っているものはどれか。

1 敷地共有者等の集会を開くに際し、敷地共有者等に管理者がない場合の集会の招集権者は、議決権の5分の1以上を有する敷地共有者等であって、この定数を規約で減ずることはできない。

2 敷地共有者等の集会を招集するに当たり、敷地共有者等の所在を知ることができないときは、集会の招集の通知を、滅失した区分所有建物に係る建物の敷地内の見やすい場所に掲示してすることができるが、敷地共有者等の所在を知らないことについて過失があったときは、到達の効力を生じない。

3 区分所有建物の全部が滅失した後に敷地共有者等が敷地共有持分等を譲渡した場合であっても、滅失の当時にその敷地共有持分等を有していた者は敷地共有者等の集会における議決権を有する。

4 集会における再建決議によって建築する建物は、滅失した区分所有建物に係る建物の敷地若しくはその一部の土地又は当該建物の敷地の全部若しくは一部を含む土地上に建築しなければならない。

【解答及び解説】

【問 11】 正解 3

1 正しい。敷地共有者等に管理者がないときは、議決権の5分の1以上を有する敷地共有者等は、集会を招集することができる。そして、敷地共有者等は、集会を開き、及び管理者を置くことはできるが、規約を定めることはできないので、この定数を規約で減ずることはできない。
*被災マンション法3条1項

2 正しい。敷地共有者等集会を招集する者が敷地共有者等の所在を知ることができないときは、集会の招集通知は、滅失した区分所有建物に係る建物の敷地内の見やすい場所に掲示してすることができる。この場合には、当該通知は、掲示をした時に到達したものとみなす。ただし、敷地共有者等集会を招集する者が当該敷地共有者等の所在を知らないことについて過失があったときは、到達の効力を生じない。
*被災マンション法3条3項

3 誤り。敷地共有者等の集会における議決権を有する者は、敷地共有者等であり、敷地共有者等は、滅失した建物に係る敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利であったときは、その権利を有する者である。したがって、区分所有建物の全部が滅失した後に敷地共有者等が敷地共有持分等を譲渡した場合には、滅失の当時にその敷地共有持分等を有していた者は敷地共有者等の集会における議決権を有しない。
*被災マンション法2条

4 正しい。敷地共有者等集会においては、敷地共有者等の議決権の5分の4以上の多数で、滅失した区分所有建物に係る建物の敷地若しくはその一部の土地又は当該建物の敷地の全部若しくは一部を含む土地に建物を建築する旨の決議(再建決議)をすることができる。
*被災マンション法4条1項


【解法のポイント】被災マンション法は、出題されるのは条文ですので、しっかり見ておいて下さい。第3条の準用関係(肢1)がややこしいですが、被災マンション法の性質を考えれば分かりやすいと思います。