下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

マンション管理士 過去問解説 平成29年 問41

【問 41】 マンションの室内環境に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

1 建築基準法の規定による居室に設ける窓その他の開口部の採光に有効な部分の面積の算定方法は、開口部が設置されている壁面の方位により異なる。

2 低放射複層ガラス(Low-E複層ガラス)は中空層側のガラス面に特殊な金属膜をコーティングしたものであるが、金属膜を屋外側ガラスにコーティングした場合と室内側ガラスにコーティングした場合とでは、室内環境に及ぼす効果が異なる。

3 遮音対策としては、共用廊下やエレベーター、設備配管からの騒音にも配慮する必要がある。

4 壁下地材などの内装材として使用されているせっこうボードは、防火性だけではなく遮音性を有している。

【解答及び解説】

【問 41】 正解 1

1 不適切。建築基準法の規定による居室に設ける窓その他の開口部の採光に有効な部分の面積は、当該居室の開口部ごとの面積に、それぞれ採光補正係数を乗じて得た面積を合計して算定するが、この採光補正係数は、用途地域や、開口部が道に面しているか等によって決まり、方位により異なることはない。
*建築基準法施行令20条

2 適切。低放射複層ガラス(Low-E複層ガラス)は中空層側のガラス面に特殊な金属膜をコーティングしたものである。そして、金属膜を室内側のガラスにコーティングした場合、侵入した日射熱を外部に放射しにくいので、暖房効果を高める。金属膜を室外側のガラスにコーティングした場合、断熱性能の向上とともに、日射遮蔽効果が冷房効果を高める。

3 適切。マンションは、各住戸が壁や床を介して接しているために、上下間及び隣戸間の遮音性が問題となる場合が多いが、共用部分である廊下、階段、エレベーター、設備配管等からの騒音にも配慮する必要がある。

4 適切。せっこうボードは、防火性だけではなく遮音性を有しているので、アパートの住戸間の界壁や、ホテル・病院の壁などでもよく使われている。


【解法のポイント】この問題は、難しかったと思います。特に正解肢の肢1は、建築基準法施行令のかなり細かい規定です。ただ、肢2~肢4は、今後の出題も予想されるので、しっかり確認しておいて下さい。