下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

マンション管理士 過去問解説 平成29年 問40

【問 40】 マンションの建物に用いられる構造形式に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

1 ラーメン構造は、柱と梁を剛接合して建物の骨組みを構成し、荷重及び外力に対応する構造形式であり、構造耐力を増すために耐力壁を設ける場合もある。

2 壁式構造は、壁や床などの平面的な構造部材を一体として構成し、荷重及び外力に対応する構造形式であり、高層の建物より中低層の建物に採用されることが多い。

3 鉄筋コンクリート構造は、鉄筋とコンクリートのそれぞれの長所を活かすように組み合わせた構造形式であるが、施工現場において鉄筋及び型枠を組み立て、コンクリートを打つ必要があり、工業化はされていない。

4 鉄骨構造は、外力に対して粘り強い構造形式であるが、耐火被覆や防錆処理が必要となるだけでなく、鉄筋コンクリート構造に比べて揺れが大きくなりやすい。

【解答及び解説】

【問 40】 正解 3

1 適切。ラーメン構造は、柱と梁を剛接合して建物の骨組みを構成し、荷重及び外力に対応する構造形式である。また、一般的には、耐震壁(耐力壁)をラーメンフレームに包含した耐震壁付きラーメン構造が最も多く見受けられる。

2 適切。壁式構造は、壁や床などの平面的な構造部材を一体として構成し、荷重及び外力に対応する構造形式であるが、壁の量が多くなるので、高層の建物より中低層の建物に採用されることが多い。

3 不適切。鉄筋コンクリート構造は、引っ張りに強い鉄筋と、圧縮に強いコンクリートのそれぞれの長所を活かすように組み合わせた構造形式である。ただ、施工現場において鉄筋及び型枠を組み立て、コンクリートを打つ方法だけでなく、最近はあらかじめ工場で製作された鉄筋コンクリート製の各部材を、現場で組み立てて造るプレキャストコンクリート造もよく用いられる。

4 適切。鉄骨構造は、靭性が大きく、外力に対して粘り強い構造形式であるが、その分鉄筋コンクリート構造に比べて揺れが大きくなりやすい。また、鉄は不燃構造ではあるが、加熱によって耐力が著しく低下し、また錆びやすいので、耐火被覆や防錆処理が必要となる。


【解法のポイント】建築構造の問題は、毎年1問程度出題される定番の問題です。本問は基本的な内容ではなかったかと思います。