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マンション管理士 過去問解説 平成29年 問38

【問 38】 マンションの外壁の補修工事に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

1 外壁パネル等の目地のシーリング材の補修は、既存のシーリング材を除去して新規のシーリング材を施工するシーリング再充填工法(打替え工法)が一般的である。

2 モルタル塗り仕上げ部分に発生している幅が1.0mmを超えるひび割れで、ひび割れ幅が変動する場合の補修は、Uカットシール材充填工法とし、充填材にシーリング材を用いるのが一般的である。

3 外壁複合改修構工法(ピンネット工法)は、既存のタイルやモルタル等の仕上げ層を撤去せずに、アンカーピンによる仕上げ層の剥落防止と繊維ネットによる既存仕上げ層の一体化により安全性を確保する工法である。

4 コンクリート部分に発生しているひび割れの補修工事で樹脂注入工法を行う場合、注入する圧力は、樹脂を行き渡らせるために、できるだけ高圧とすることが一般的である。

【解答及び解説】

【問 38】 正解 4

1 適切。シーリング再充填工法は、既存シーリング材除去の上、同種又は異種のシーリング材を再充填する工法で、外壁パネル等の目地のシーリング材の補修として最も一般的に使用されている。

2 適切。Uカットシール材充填工法とは、ひび割れに沿ってU字形にコンクリートをカットし、その部分にシーリング材等の補修材を充てんする工法で、0.5~1.0mm程度以上の比較的大きな幅のひび割れで、ひび割れ部分の挙動が大きい場合に一般的に行われる。

3 適切。外壁複合改修構工法(ピンネット工法)とは、タイル、モルタル塗り外壁において、既存仕上げ層の外側に、これと一体化した剥落防止層を施工し、さらに既存仕上げ層と剥落防止層をアンカーピンで固定することで、施工範囲全体の剥落を防止することができる。

4 不適切。コンクリートのひび割れ補修工事の注入工法は、エポキシ樹脂などの注入材を、注入器具を用いてひび割れ深部まで充填させる工法で、この工法ではエポキシ樹脂が十分に充填されることが重要で、一般にはゴムやバネ、風船などの原理を応用して一定の圧力でゆっくりひびわれのすきまにくまなく充填できる、低圧低速注入工法をとる。


【解法のポイント】本問の各工法は、過去問にも出題されているもので、確実に正解したい問題といえます。