下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

マンション管理士 過去問解説 平成28年 問40

【問 40】 マンションの構造に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。

1 地震で被災した際、被災建築物応急危険度判定で「危険(赤色)」と判定されたため、修繕が不可能と判断し、建物を取り壊すことにした。

2 免震構造は、建築物の基礎と上部構造との間に免震装置を設ける構造であるため、建築物の新築時から免震装置を設置しておかなくてはならない。

3 建築基準法による耐震基準は、震度6強から震度7程度の地震に対して、主要構造部は被害を受けないことを目標としている。

4 耐震改修工法については、壁やブレース、柱、梁を増設、補強する工法だけではなく、逆に柱に取り付く壁と柱の間に隙間を設けることで耐震性能を改善する工法もある。

【解答及び解説】

【問 40】 正解 4

1 不適切。応急危険度判定は、大地震により被災した建築物を調査し、その後に発生する余震などによる倒壊の危険性や外壁・窓ガラスの落下、付属設備の転倒などの危険性を判定することにより、人命にかかわる二次的災害を防止することを目的としており、被災建築物の恒久的使用の可否を判定する目的で行うものではない。したがって、「危険(赤色)」と判定されたからといって、修繕が不可能と判断し、建物を取り壊すことにするのは適切とはいえない。

2 不適切。免震構造は、建築物の基礎と上部構造との間に免震装置を設ける構造であるという点は正しいが、建築物の新築時から免震装置を設置しておかなくても、後で既存建物の免震化をすることはできる。

3 不適切。建築基準法による現行の耐震基準は、震度6強から震度7程度の地震に対して、「人命に危害を及ぼすような倒壊、崩壊等を生じない」ことを目標としている。

4 適切。耐震改修工法については、まず、壁やブレース、柱、梁を増設、補強する工法があるが、それだけではなく、柱に取り付く壁と柱の間に隙間を設け(耐震スリット)、壁が柱や梁の地震時の動きに影響を与えないようにすることで耐震性能を改善する工法もある。


【解法のポイント】この問題は、肢1は、目新しい問題でした。肢4は、今後の出題にも注意して下さい。