下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。
マンション管理士 過去問解説 平成28年 問37
【問 37】 マンションの外壁の補修工事に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。
1 コンクリートのひび割れの補修における樹脂注入工法において、ひび割れ幅の変動が大きい場合には軟質形のエポキシ樹脂を注入する。
2 コンクリートのひび割れの補修におけるシール工法は、ひび割れ幅が0.2mm未満程度の比較的幅の小さいひび割れの補修に有効な工法である。
3 吹付けタイル等の塗り仕上げの改修は、ひび割れに沿って塗膜を撤去するのが原則であるが、塗膜が健全でコンクリートとの接着が良い場合は、塗膜を撤去せずにひび割れ改修を行うことがある。
4 タイル張り外壁の浮き部分の補修におけるアンカーピンニング全面エポキシ樹脂注入工法は、タイルの中央に穿孔して樹脂を注入してタイルを固定させる工法である。
【解答及び解説】
【解法のポイント】マンションの外壁補修の問題も典型的な問題ですが、いろいろ種類があって大変なところです。よくまとめておいて下さい。
【問 37】 正解 4
1 適切。コンクリートのひび割れの補修における樹脂注入工法は、一般的には幅0.2~1.0mmのひび割れに対して施工を行うが、エポキシ樹脂では硬質型と軟質型とがあり、ひび割れ部に挙動がある場合には、軟質型を使用する。
2 適切。コンクリートのひび割れの補修におけるシール工法(被覆工法)は、ひび割れにエポキシ樹脂や塗膜弾性防水材で被覆する工法で、0.2mm未満の軽微な収縮ひび割れを対象としたひび割れ補修工法である。
3 適切。吹付けタイル等の塗り仕上げの改修は、既存塗膜の劣化に応じて、劣化塗膜を除去し塗装を行うのが原則である。しかし、塗膜が健全でコンクリートとの接着が良い場合は、塗膜を撤去せずにひび割れ改修を行うこともできる。
4 不適切。タイル張り外壁の浮き部分の補修におけるアンカーピンニング全面エポキシ樹脂注入工法は、剥離部分に対して「等間隔」に穿孔を行い、エポキシ樹脂を注入し孔内にアンカーピンを挿入する工法である。「中央」に穿孔するわけではない。