下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

マンション管理士 過去問解説 平成28年 問35

【問 35】 甲マンション管理組合の平成27年度決算(平成27年4月1日~平成28年3月31日)に当たり、平成28年3月31日現在の会計帳簿の現金預金の金額と銀行の預金残高証明書の金額に3万円の差異があった。この原因に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。ただし、会計処理は発生主義の原則によるものとし、資金の範囲は、現金預金、未収金、前払金、未払金及び前受金とする。

1 平成28年度分の管理費3万円が平成28年3月に管理組合口座に入金されていたが、会計処理をしなかったため、会計帳簿の現金預金の金額が3万円少ない。

2 平成28年3月分のエレベーター保守料3万円を未払金で会計処理していたが、3月中に管理組合口座から自動引落しされていたため、会計帳簿の現金預金の金額が3万円多い。

3 平成27年度分と平成28年度分の損害保険料6万円(年間3万円)を平成28年3月に管理組合口座から支払ったが、3万円は前払金として会計処理したため、会計帳簿の現金預金の金額が3万円少ない。

4 平成27年度分の管理費3万円を未収金で会計処理していたが、平成28年3月に管理組合口座に入金されていたことを見落としたため、会計帳簿の現金預金の金額が3万円少ない。

【解答及び解説】

【問 35】 正解 3

1 適切。管理費3万円が平成28年3月に管理組合口座に入金されているのに、会計処理をしなかったのであるから、会計帳簿の現金預金の金額が3万円少なくなっているのは当然である。

2 適切。平成28年3月分のエレベーター保守料3万円を未払金で会計処理しているので、管理組合口座から自動引落しされた段階で会計処理をしなければならない。それをそのままにしているのであれば、会計帳簿の現金預金の金額が3万円多くなる。

3 不適切。平成28年3月に、平成28年度分の損害保険料3万円を支払って、その3万円を前払金として会計処理しているということは、「前払金 30,000/現金預金 30,000」と会計処理しているはずであるから、会計帳簿の現金預金の金額は3万円分減少しているので、会計帳簿の現金預金の金額と銀行の預金残高証明書の金額に差異は出ない。

4 適切。管理費3万円の未収金が入金されているのに、それを見落とし会計処理しなかったのであるから、会計帳簿の現金預金の金額は3万円少なくなる。


【解法のポイント】本問は、かなり簡単だったのではないかと思います。特にコメントはありません。