下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

マンション管理士 過去問解説 平成28年 問30

【問 30】 管理組合が、理事長が代表取締役を務める施工会社と共用部分の補修に係る工事請負契約を締結しようとする場合において、理事長がその利益相反取引に関し、理事会を招集し承認を受けようとすることについて、マンション管理士が役員に対して行った次の助言のうち、標準管理規約によれば、適切でないものはどれか。

1 理事長がこの理事会で承認を受けるには、当該取引について重要な事実の開示が必要です。

2 理事会の承認が得られても、理事長は当該取引では代表権を有しないので、監事か他の理事が、管理組合を代表して契約することになります。

3 この理事会で決議を行う場合、理事の過半数の承諾があれば、書面又は電磁的方法による決議により行うこともできます。

4 この理事会で決議を行う場合、理事長は議決権を行使することはできません。

【解答及び解説】

【問 30】 正解 3

1 適切。管理組合が役員以外の者との間において管理組合と当該役員との利益が相反する取引をしようとするとき、役員は、理事会において、当該取引につき重要な事実を開示し、その承認を受けなければならない。
*標準管理規約37条の2

2 適切。管理組合と理事長との利益が相反する事項については、理事長は、代表権を有しない。この場合においては、監事又は理事長以外の理事が管理組合を代表する。
*標準管理規約38条6項

3 不適切。専有部分の修繕等、敷地及び共用部分等の管理及び窓ガラス等の改良についての理事会の承認又は不承認については、理事の過半数の承諾があるときは、書面又は電磁的方法による決議によることができるが、本問の役員と管理組合の利益相反取引については、書面又は電磁的方法による決議は認められていない。
*標準管理規約53条2項

4 適切。理事会の決議について特別の利害関係を有する理事は、議決に加わることができない。
*標準管理規約53条3項


【解法のポイント】本問の管理組合と理事の利益相反取引に関する条文も、改正点の一つです。内容的には基本的なものだったと思いますが、肢3については正確に記憶しておいて下さい。