下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

マンション管理士 過去問解説 平成28年 問9

【動画解説】法律 辻説法

【問 9】 管理組合法人の事務に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1 管理組合法人の事務のうちの保存行為について、複数の理事がいる場合、規約に別段の定めがないときは、各理事が単独で決することができる。

2 管理組合法人が共用部分を管理者として所有することについて、規約で定めることはできない。

3 管理組合法人の事務のうち保存行為を除く事務に関しては、集会の決議につき特別の定数が定められている事項及び義務違反者に対する訴訟を提起するために集会決議が求められている事項を除き、規約の定めにより、理事その他の役員で決することができる。

4 管理組合法人が、支払不能による破産手続開始を申し立てられても、それをもって直ちに解散する事由にはあたらない。

【解答及び解説】

【問 9】 正解 1

1 誤り。管理組合法人の事務のうち保存行為は、理事が決することができる。ただし、理事が数人ある場合において、規約に別段の定めがないときは、管理組合法人の事務は、理事の過半数で決する。
*区分所有法49条2項

2 正しい。法人でない管理組合の管理所有の規定(区分所有法27条)は、管理組合法人に準用されておらず、管理組合法人が共用部分を管理者として所有することを規約で定めることはできない。
*区分所有法47条11項

3 正しい。管理組合法人の事務は、この法律に定めるもののほか、すべて集会の決議によって行うが、区分所有法で集会の決議につき特別の定数が定められている事項及び共同の利益に反する行為の停止等の請求の訴訟を提起するための集会決議の場合を除いて、規約で、理事その他の役員が決するものとすることができる。
*区分所有法52条1項

4 正しい。管理組合法人の解散事由は、1.建物の全部の滅失、2.建物に専有部分がなくなったこと、3.集会の決議の三つであり、支払不能で破産手続開始を申し立てられても、直ちに解散事由に該当することはない。
*区分所有法55条1項


【解法のポイント】肢1は、ちょっとひっかかりそうな肢です。これを「正しい」とした人は、正解がなくなって困ったでしょうね。