下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

マンション管理士 過去問解説 平成28年 問4

【問 4】 共用部分等の管理に関する次の記述のうち、標準管理規約によれば、正しいものはいくつあるか。

ア マンションの駐車場の管理については、駐車場を使用する区分所有者がその責任と負担において行わなければならない。

イ 管理組合は、管理を行うために必要な範囲内において、他の者が管理する専有部分又は専用使用部分への立入りを請求することができ、その請求を正当な理由なく拒否した者は、その結果生じた損害を賠償しなければならない。

ウ 理事長は、災害や事故等により緊急に立ち入らないと共用部分等又は他の専有部分に対して物理的に又は機能上重大な影響を与えるおそれがあるときは、専有部分又は専用使用部分について、立ち入ることができるが、原状回復義務を負う。

エ 計画修繕工事の実施に際し、区分所有者が、専有部分又は専用使用部分への立入りを正当な理由なく拒否し続け、計画修繕工事の円滑な実施を妨げる場合には、理事長は、理事会の決議を経て、その是正等のため必要な勧告、指示等を行うことができる。

1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ

【解答及び解説】

【問 4】 正解 3

ア 誤り。駐車場の管理は、管理組合がその責任と負担で行う。区分所有者が責任と負担を負うのは、「車両」の保管である。
*標準管理規約21条関係コメント②

イ 正しい。敷地及び共用部分等の管理を行う者は、管理を行うために必要な範囲内において、他の者が管理する専有部分又は専用使用部分への立入りを請求することができる。立入りを請求された者は、正当な理由がなければこれを拒否してはならない。この場合において、正当な理由なく立入りを拒否した者は、その結果生じた損害を賠償しなければならない。
*標準管理規約23条1項~3項

ウ 正しい。理事長は、災害、事故等が発生した場合であって、緊急に立ち入らないと共用部分等又は他の専有部分に対して物理的に又は機能上重大な影響を与えるおそれがあるときは、専有部分又は専用使用部分に自ら立ち入り、又は委任した者に立ち入らせることができる。立入りをした者は、速やかに立入りをした箇所を原状に復さなければならない。
*標準管理規約23条4項・5項

エ 正しい。区分所有者が、法令、規約又は使用細則等に違反したとき、又は対象物件内における共同生活の秩序を乱す行為を行ったときは、理事長は、理事会の決議を経てその区分所有者等に対し、その是正等のため必要な勧告又は指示若しくは警告を行うことができる。本肢の行為は、これに該当する。
*標準管理規約67条1項


以上より、正しいものはイ、ウ、エの三つであり、肢3が正解となる。


【解法のポイント】本問の肢ウは、改正部分ですが、出題が十分予想されたところです。それ以外は、個数問題であるという点以外は、解きやすい問題だったのではないでしょうか。