下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

マンション管理士 過去問解説 平成27年 問11

【動画解説】法律 辻説法

【問 11】 一団地内に専有部分のある建物であるA棟及びB棟がある場合に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、誤っているものはどれか。ただし、団地の敷地はA棟及びB棟の各区分所有者の共有であるものとする。

1 団地管理組合(区分所有法第65条の団地建物所有者の団体をいう。以下この問いにおいて同じ。)において、A棟及びB棟の管理又は使用について団地規約(同法第66条において準用する第30条第1項の規約をいう。以下この問いにおいて同じ。)が定められている場合であっても、A棟の区分所有者の集会で、A棟の管理組合における管理者を定めることができる。

2 団地管理組合においてA棟及びB棟の管理又は使用について団地規約が定められている場合、A棟の建物の保存に有害な行為をしているA棟の区分所有者に対し、団地管理組合の集会で、区分所有法第57条の行為の停止を請求する訴訟を提起するための決議ができる。

3 団地管理組合においてA棟及びB棟の管理又は使用について団地規約が定められている場合、その規約で定めた事項については、団地規約を変更又は廃止しなければ、A棟の区分所有者の集会において、A棟の管理又は使用に関する規約を定めることはできない。

4 団地内にA棟の区分所有者が共有する倉庫が存する場合には、A棟の区分所有者の3/4以上でその共有持分の3/4以上を有するものの同意がなければ、団地管理組合がその倉庫を管理するための団地規約を定めることはできない。

【解答及び解説】

【問 11】 正解 2

1 正しい。区分所有建物が団地規約で管理の対象になっても、棟の管理組合が消滅することはなく、義務違反者に対する措置や復旧・建て替え決議等の固有の権限を行使することになるので、そのために管理者を定めることができる。
*区分所有法68条1項

2 誤り。区分所有建物が団地規約の管理の対象になっても、棟の管理組合は、義務違反者に対する措置等の固有の権限を行使することになり、団地管理組合が義務違反者に対する措置を行使することはできない。
*区分所有法66条

3 正しい。区分所有建物が団地規約の管理対象物に含まれた後に、団地規約から離脱しようという場合は、当該一部建物所有者や区分所有者のみの決議で団地規約から離脱することはできず、団地規約自体の変更又は廃止によらなければ、団地規約から離脱することはできない。
*区分所有法68条1項

4 正しい。一部の建物所有者の共有に属する附属施設を団地管理組合全体で管理するには、団地管理組合全体の区分所有者及び議決権の3/4以上の集会の決議が必要なだけでなく、当該一部の建物所有者及びその共有持分の3/4以上の同意も必要となる。
*区分所有法68条1項


【解法のポイント】この問題は、正解肢の肢2は非常に平易な問題で、正解自体を導くのは簡単だったと思います。