下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。
平成26年 マンション管理士 本試験 【問 28】
【問 28】 組合員に対する管理組合の対応方法を検討する理事会での理事長の次の発言のうち、標準管理規約によれば、適切なものはどれか。

1 組合員Aから、自宅の窓ガラスを二重サッシにするための改良工事を細則に従いA自身で行いたい旨の申請がなされていますが、これは本年度に実施する計画修繕で全戸一斉に行う予定となっておりますので、Aの申請は認めないものとします。

2 組合員Bから、専有部分の床フローリング工事を実施する予定であるとの相談がありましたので、Bに対し、設計図、仕様書を添付した工事の申請書を提出し、承認後には速やかに工程表を提出しなければならないことを伝えることとします。

3 組合員Cが、管理費を3ヵ月滞納しているので、理事長として管理組合を代表し法的措置によりその回収を図ることとしますが、これには総会決議が必要なので、次期通常総会での議案の一つといたします。

4 組合員Dから、専有部分を第三者Eに賃貸する旨の相談がありましたので、Dに対し、管理規約及び使用細則に定める事項をEに遵守させる旨をDが誓約する書面を作成し、提出しなければならないことを伝えることとします。

【解答及び解説】

【問 28】 正解 1

1 適切。共用部分のうち各住戸に附属する窓枠、窓ガラス、玄関扉その他の開口部に係る改良工事であって、防犯、防音又は断熱等の住宅の性能の向上等に資するものについては、管理組合がその責任と負担において、計画修繕としてこれを実施するものとする。区分所有者は、管理組合が、この工事を「速やかに」実施できない場合には、当該工事を各区分所有者の責任と負担において実施することについて、細則を定めることもできるが、この工事は「本年度に実施」することになっているので、Aの申請を認める必要はない。
*標準管理規約22条2項

2 不適切。区分所有者は、その専有部分について、修繕等を行おうとするときは、「あらかじめ」設計図、仕様書及び「工程表」を添付した申請書を理事長に提出しなければならない。工程表の提出は理事長の承認「後」に提出するのではない。
*標準管理規約17条2項

3 不適切。区分所有者等がこの規約等に違反したときは、「理事長は、理事会の決議を経て」、敷地及び共用部分等について生じた損害賠償金の請求又は受領に関し、区分所有者のために、訴訟において原告又は被告となること、その他法的措置をとることができる。総会の決議までは不要である。
*標準管理規約67条3項

4 不適切。区分所有者が、その専有部分を第三者に貸与する場合、区分所有者は、その貸与に係る契約にこの規約及び使用細則に定める事項を遵守する旨の条項を定めるとともに、「契約の相手方」にこの規約及び使用細則に定める事項を遵守する旨の誓約書を管理組合に提出させなければならない。誓約書は「賃借人」が作成するものである。
*標準管理規約19条2項


【解法のポイント】標準管理規約は、しっかり読み込んでおかなければいけませんが、それをしていた人には、この問題は簡単だったでしょう。