下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。
平成26年 マンション管理士 本試験 【問 17】

【動画解説】法律 辻説法

【問 17】 AがBに中古住宅である甲マンションの101号室を売却した場合におけるAの契約不適合責任に関する次の記述のうち、民法及び宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 AとBとの売買契約において、契約不適合責任に関し、買主が売主に対して契約不適合を通知すべき期間を引渡しの日から1年間とした場合、Aが宅地建物取引業者であり、Bが宅地建物取引業者でないときは、Aは、Bが引渡しの日から2年以内にその旨を売主に通知すれば、契約不適合責任を免れない。

2 AとBとの売買契約において、契約不適合責任に関し、買主が売主に対して契約不適合を通知すべき期間を引渡しの日から6ヵ月間とした場合、Aが宅地建物取引業者でなく、Bが宅地建物取引業者であるときは、Aは、引渡しの日から6ヵ月を経過してもBより引き渡された物が契約不適合である旨の通知を受けなかった時は契約不適合責任を免れる。

3 AとBとの売買契約において、住宅の構造耐力上主要な部分の契約不適合についてのみ契約不適合責任を負うとした場合、A及びBが宅地建物取引業者であるときは、Aは、住宅の構造耐力上主要な部分の契約不適合以外の契約不適合についても契約不適合責任を免れない。

4 AとBとの売買契約において、契約不適合につき解除及び損害賠償請求に加え、あるいはこれに代えて代金減額請求や修補請求ができるものとした場合、Aが宅地建物取引業者であり、Bが宅地建物取引業者でないときは、Bは、代金減額請求や修補請求をすることができない。

【解答及び解説】

【問 17】 正解 2

1 誤り。宅地建物取引業者が自ら売主として、宅地建物取引業者でない買主と売買契約を締結した場合において、契約不適合責任に関し、買主が売主に対して契約不適合を通知すべき期間についてその目的物の引渡しの日から2年以上となる特約をすることは認められるが、引渡しの日から1年とする特約は無効であり、この場合、民法の原則に戻り、買主がその不適合を知った時から1年以内にその旨を売主に通知すれば、売主は契約不適合責任を負うことになる。
*宅建業法40条

2 正しい。宅地建物取引業者が自ら売主として、宅地建物取引業者でない買主と売買契約を締結した場合において、契約不適合責任に関し、買主が売主に対して契約不適合を通知すべき期間についてその目的物の引渡しの日から2年以上となる特約をすることは認められるが、本肢では売主が宅地建物取引業者ではないので、契約自由の原則により、本肢のような特約も有効となる。
*宅建業法40条

3 誤り。宅地建物取引業者が自ら売主として、宅地建物取引業者でない買主と売買契約を締結した場合において、その目的物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任に関し、民法の規定より買主に不利な特約は無効となるが、宅地建物取引業者相互間の取引については、契約自由の原則により、買主に不利な特約も有効となる。したがって、本肢のような契約不適合の発生を「住宅の構造耐力上主要な部分の契約不適合」に制限するような特約も有効である。
*宅建業法40条

4 誤り。宅地建物取引業者が自ら売主として、宅地建物取引業者でない買主と売買契約を締結した場合において、その目的物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任に関し、民法の規定より買主に不利な特約は無効となるが、本肢の特約は、解除及び損害賠償請求だけでなく、代金減額請求や修補請求も認めるものであるが、民法においても代金減額請求や、追完請求の一つとして修補請求が認められているので、買主に不利になるわけではなく、特約は有効である。
*宅建業法40条


【解法のポイント】宅建業法は、重要事項の説明と瑕疵担保責任が一番よく出題されます。本肢のテーマである、売主=宅地建物取引業者、買主=宅地建物取引業者でない者、という部分を確認しておいて下さい。