下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。
平成26年 マンション管理士 本試験 【問 9】
【問 9】 上層階を住居部分、下層階を店舗部分とする複合用途型マンションの店舗一部共用部分に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1 店舗一部共用部分である外装がマンション全体の美観に影響を及ぼすような場合におけるその全体の美観に影響を及ぼす外装の変更は、区分所有者全員の集会の決議を得なければならない。

2 店舗一部共用部分である店舗部分の1階出入り口の管理について、区分所有者全員の規約で定められている場合、その改修は、店舗一部共用部分の区分所有者の集会で決議することができない。

3 店舗一部共用部分であるエスカレーターについて、区分所有者全員の規約に定めがない場合、その取替えが区分所有者全員の利害に関係しないときは、店舗一部共用部分の区分所有者の集会の決議で取替えを行うことができる。

4 店舗一部共用部分である客用便所の管理について、区分所有者全員の規約で定めをしようとする場合、住居一部共用部分の区分所有者の1/4を超える者が反対したときは、することができない。

【解答及び解説】

【問 9】 正解 4

1 正しい。一部共用部分の管理のうち、「区分所有者全員の利害に関係するもの」又は規約に定めがあるものは区分所有者全員で、その他のものはこれを共用すべき区分所有者のみで行う。本肢の外装の変更は、「区分所有者全員の利害に関係するもの」といえるので、区分所有者全員の集会の決議を得なければならない。
*区分所有法16条

2 正しい。一部共用部分の管理のうち、区分所有者全員の利害に関係するもの又は「規約に定めがあるもの」は区分所有者全員で、その他のものはこれを共用すべき区分所有者のみで行う。本肢では、区分所有者全員の規約で定められているので、区分所有者全員の集会の決議を得なければならず、店舗一部共用部分の区分所有者の集会で決議することができない。
*区分所有法16条

3 正しい。一部共用部分の管理のうち、区分所有者全員の利害に関係するもの又は規約に定めがあるものは区分所有者全員で、その他のものはこれを共用すべき区分所有者のみで行う。本肢のエレベーターは、「区分所有者全員の利害に関係するもの又は規約に定めがあるもの」とはいえないので、店舗一部共用部分の区分所有者の集会の決議で取替えを行うことができる。
*区分所有法16条

4 誤り。一部共用部分に関する事項で区分所有者全員の利害に関係しないものについての区分所有者全員の規約の設定、変更又は廃止は、「当該一部共用部分を共用すべき区分所有者」の4分の1を超える者又はその議決権の4分の1を超える議決権を有する者が反対したときは、することができない。したがって、「住居」一部共用部分ではなく、「店舗」一部共用部分の区分所有者の4分の1を超える者が反対したときは、することができない。
*区分所有法31条2項


【解法のポイント】一部共用部分の条文は、別々の場所に規定されているものも含めて、一度整理しておく必要があると思います。逆に言うと、一度整理しておけば、比較的に簡単に解くことができると思います。本問などはその典型です。