下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

マンション管理士 過去問解説 平成25年 問15

【動画解説】法律 辻説法

【問 15】 Aが所有する甲マンションの301号室をBが賃借し、B及びCの2人で居住していたところ、Bが死亡した場合における次の記述のうち、民法及び借地借家法の規定並びに判例によれば、誤っているものはどれか。

1 CがBの妻であるときは、Aの承諾がなくても、Cは、Aに対し301号室に居住することを主張することができる。

2 CがBの妻であり、Bに子がなく母Dがいるときは、CとDとの遺産分割協議が成立するまでの間、Dの承諾がなくても、Cは、Dに対し301号室に居住することを主張することができる。

3 CがBの内縁の妻であり、Bに前妻との子Eがいるときは、EがBの賃借人の地位を相続するので、Cは、Aに対し301号室に居住することを主張することができない。

4 CがBの内縁の妻であり、Bに相続人がいないときは、Cは、Bの賃借人の地位を承継することができるので、Aに対し301号室に居住することを主張することができる。

【解答及び解説】

【問 15】 正解 3

1 正しい。CがBの妻であれば、CはBの賃借人の地位を相続するので、Cは、Aの承諾がなくても、Aに対し301号室に居住することを主張することができる。
*民法890条

2 正しい。Bに子がいない場合は、妻Cと母Dが相続人となるが、Bが死亡すれば、遺産分割協議が成立するまでの間は、301号室はCとDの共有となり、Dの承諾がなくても、Cは、Dに対し301号室に居住することを主張することができる。
*民法898条

3 誤り。居住の用に供する建物の賃借人が「相続人なし」に死亡した場合において、内縁の妻があるときは、建物の賃借人の権利義務を承継する。本肢では、相続人として前妻との子Eという相続人がいるが、この場合でも、賃借人の内縁の妻は、相続人の賃借権を援用して「賃貸人」に対し当該家屋に居住する権利を主張することができる(最判昭和42年2月21日)。したがって、Cは、「A」に対しては301号室に居住することを主張することができる。
*借地借家法36条

4 正しい。居住の用に供する建物の賃借人が「相続人なし」に死亡した場合において、内縁の妻があるときは、建物の賃借人の権利義務を承継する。したがって、Cは、Aに対し301号室に居住することを主張することができる。
*借地借家法36条


【解法のポイント】この問題は、正解肢の肢3が難しかったので、大変だったと思います。