下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

マンション管理士 過去問解説 平成25年 問4

【問 4】 甲マンションの101号室は、次のア~ウのとおり区分所有権が移転されているが、A及びBは、管理費を滞納している。管理組合法人が、平成25年4月に滞納管理費を請求する場合に関する次の記述のうち、区分所有法及び民法の規定によれば、正しいものはどれか。

ア 平成22年4月、Aが101号室を購入
イ 平成23年10月、BがAから101号室を受贈
ウ 平成24年10月、Cが抵当権の実行による競売で101号室を取得

1 Aは、管理費に係る債権の引当てである区分所有権をBに贈与しているので、管理組合法人は、Aに対して、Aの滞納管理費を請求することができない。

2 Bは、贈与を受けた中間取得者であり、特定承継人ではないので、管理組合法人は、Bに対しては、Bの滞納管理費のみを請求することができる。

3 Cは、担保権の実行としての競売による買受人であるが、管理組合法人は、Cに対して、A及びBの滞納管理費を請求することができる。

4 管理組合法人は、規約に別段の定めがない限り、Cに対して、A及びBの滞納管理費に係る遅延損害金を請求することができない。

【解答及び解説】

【問 4】 正解 3

1 誤り。管理費に関する債権は、債務者たる区分所有者の特定承継人に対しても行うことができるが、これは前区分所有者の責任を免除するものではなく、前区分所有者に対しても管理費を請求することができる。
*区分所有法8条

2 誤り。管理費に関する債権は、債務者たる区分所有者の特定承継人に対しても行うことができるが、贈与により区分所有権を譲り受けた者も特定承継人に該当する。そして、特定承継人が複数あった場合の中間取得者に対しても当該滞納管理費を請求することができる。
*区分所有法8条

3 正しい。管理費に関する債権は、債務者たる区分所有者の特定承継人に対しても行うことができるので、管理組合法人は、現在の区分所有者であるCに対して、A及びBの滞納管理費を請求することができる。
*区分所有法8条

4 誤り。管理費に関する債権は、債務者たる区分所有者の特定承継人に対しても行うことができるが、この債権の中には管理費の滞納による遅延損害金も含まれる。
*区分所有法8条


【解法のポイント】肢2については難しかったと思いますが、肢3が問題なく正解なので、問題はなかったかと思います。