下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

マンション管理士 過去問解説 平成25年 問3

【問 3】 専有部分の占有者に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 マンションの建物の管理又は使用に関して、区分所有者の共同の利益に反する行為をしてはならない占有者には、専有部分の賃借人、転借人及び使用借主のほか、権原なき占有者も含まれる。

2 専有部分の使用借主が敷地内の駐車場を使用している場合、当該使用借主は、駐車場の月額使用料の増額変更に関する議案に対して、集会に出席して意見を述べることができる。

3 規約により住居専用とされている専有部分を事務所として使用している賃借人に対して、集会の決議により、管理者が当該使用の停止の訴えを提起しようとする場合は、あらかじめ、当該占有者に弁明の機会を与えなければならない。

4 専有部分について、居住目的以外での使用を禁止する規約に変更しようとする場合において、専有部分を店舗として使用している賃借人がいるときは、当該賃借人の承諾を得なければ、規約を変更することができない。

【解答及び解説】

【問 3】 正解 1

1 正しい。区分所有者以外の専有部分の占有者は、マンションの建物の管理又は使用に関して、区分所有者の共同の利益に反する行為をしてはならないが、この占有者には、専有部分の賃借人、転借人及び使用借主だけでなく、権原なき占有者も含まれる。
*区分所有法6条3項

2 誤り。区分所有者の承諾を得て専有部分を占有する者は、会議の目的たる事項につき利害関係を有する場合には、集会に出席して意見を述べることができる。しかし、占有者は、建物又はその敷地若しくは附属施設の「使用」方法につき、区分所有者が規約又は集会の決議に基づいて負う義務と同一の義務を負うが、管理費や使用料などの「管理」に関する事項については、利害関係を有するとはいえない。
*区分所有法44条1項

3 誤り。区分所有者が共同の利益に反する行為をした場合には、行為の停止等の請求をすることができるが、この場合、占有者に弁明の機会を与える必要はない。
*区分所有法57条

4 誤り。規約の設定、変更又は廃止は、特定の「区分所有者」の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならないが、占有者の承諾を得る必要はない。
*区分所有法31条1項


【解法のポイント】これは、肢1が常識的に考えても分かるくらい簡単だったと思います。権原なき占有者ならば、共同の利益に反する行為をしていいわけではないですよね。