下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

マンション管理士 過去問解説 平成24年 問13

【動画解説】法律 辻説法

【問 13】 夫Aと妻Bは、甲マンションの301号室の区分所有権を各1/2の持分で共有し、同室で生活をしているが、管理費及び修繕積立金を滞納している場合に関する次の記述のうち、民法及び破産法の規定並びに判例によれば、正しいものはどれか。

1 Aが破産手続により免責許可の決定を受け、その決定が確定したときは、管理組合は、Bに対し滞納額全額の請求をすることはできず、その1/2の額のみ請求することができる。

2 管理費と修繕積立金のいずれも月ごとに支払われるものであるが、その債権の消滅時効期間は管理費については5年、修繕積立金については10年である。

3 A及びBが、滞納している管理費及び修繕積立金の支払を「3ヵ月待ってほしい。」と、口頭で管理組合に告げていたのみでは消滅時効は更新されない。

4 規約に滞納管理費及び修繕積立金の遅延損害金についての定めがない場合でも、管理組合は、法定利率の割合の遅延損害金を付加して請求することができる。

【解答及び解説】

【問 13】 正解 4

1 誤り。管理費の支払債務は不可分債務であるから、Aが破産手続による免責許可の決定を受けたとしても、Bは管理費の全額を支払う義務を負う。
*民法430条

2 誤り。管理費も修繕積立金も、一般の債権と同様、債権者が権利を行使することができることを知った時から5年間行使しないときは、時効によって消滅する。
*民法166条1項

3 誤り。管理費及び修繕積立金の支払を「3ヵ月待ってほしい。」と告げる行為は、時効の更新事由である「承認」に該当する。この承認は、裁判上、裁判外を問わず、また口頭であると、書面であるとを問わない。
*民法152条1項

4 正しい。管理費及び修繕積立金は金銭債権であり、その債務不履行については、遅延損害金についての定めがない場合でも、損害賠償の額は、法定利率とされている。
*民法419条1項