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マンション管理士 過去問解説 平成24年 問10

【問 10】 Aマンションが、甲地及び乙地の2筆にまたがって所在していたが、地震によってAの一部が滅失し、乙地上には建物が所在しなくなった。この場合に関する次の記述のうち、区分所有法及び民法の規定によれば、誤っているものはどれか。ただし、甲地及び乙地は、Aの区分所有者全員の共有に属するものとする。

1 乙地については、民法の共有物の管理又は変更に関する規定は適用されず、規約でAの敷地と定められたものとみなされ、区分所有法の共用部分の管理又は変更に関する規定が準用される。

2 乙地について、集会において、区分所有者及び議決権の各3/4以上の多数の決議により、規約に別段の定めをしない限り、区分所有者全員で、乙地に第三者のために駐車場として賃借権を設定することはできない。

3 乙地について、集会において、区分所有者及び議決権の各3/4以上の多数の決議により、Aの敷地と定められたものとみなされた規約を廃止し、Aの区分所有者全員の同意を得て、乙地を売却することができる。

4 乙地について、集会において、区分所有者及び議決権の各3/4以上の多数の決議により、規約に別段の定めをすれば、Aの区分所有者は、その有する専有部分とその専有部分に係る乙地の敷地利用権を分離して処分することができる。

【解答及び解説】

【問 10】 正解 2

1 正しい。建物が所在する土地が建物の一部の滅失により建物が所在する土地以外の土地となったときは、その土地は、規約で建物の敷地と定められたものとみなされるので、区分所有法の共用部分の管理又は変更に関する規定が準用される。
*区分所有法5条2項

2 誤り。建物が所在する土地が建物の一部の滅失により建物が所在する土地以外の土地となったときは、その土地は、規約で建物の敷地と定められたものとみなされるので、敷地の賃貸ということになり、規約に別段の定めをしなくても、集会の決議で賃借権を設定することができる。
*区分所有法5条2項、18条1項

3 正しい。建物が所在する土地が建物の一部の滅失により建物が所在する土地以外の土地となったときは、その土地は、規約で建物の敷地と定められたものとみなされるので、Aの敷地であることをやめるには、規約変更の手続が必要となり、区分所有者及び議決権の各3/4以上の多数の決議が必要となる。そして、共有地を売却するには、区分所有者全員の同意が必要となる。
*区分所有法5条2項、民法251条

4 正しい。建物が所在する土地が建物の一部の滅失により建物が所在する土地以外の土地となったときは、その土地は、規約で建物の敷地と定められたものとみなされ、敷地利用権は、規約で別段の定めをすれば、その有する専有部分とその専有部分に係る敷地利用権とを分離して処分することができる。
*区分所有法22条1項