下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

マンション管理士 過去問解説 平成23年 問15

【動画解説】法律 辻説法

【問 15】 甲マンションの405号室の区分所有者Aが死亡し、子B及びCが405号室を共同相続する場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。ただし、Aの遺言はないものとする。

1 B及びCの共有となった相続財産である405号室について、遺産分割の協議が調わないときは、B又はCは、その分割について、共有物分割の訴えを提起することとなる。

2 遺産分割の協議の結果、いったん405号室をB及びCの共有としたが、その後、Bの単独所有に変更し、CがBから代償金を受け取る場合は、再度の遺産分割の協議をしなければならない。

3 B及びCの共有となった相続財産である405号室について、Bが単独で相続し、Cに対して代償金を支払う遺産分割の方法は、調停又は審判の手続によらなければならない。

4 B及びCの遺産分割の協議中にCが405号室の共有持分権を第三者であるDに譲渡した場合、DがBとの405号室の共有関係解消のためにとるべき法的手続は、共有物分割の訴えの提起となる。

【解答及び解説】

【問 15】 正解 4

1 誤り。遺産の分割について、共同相続人間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、各共同相続人は、遺産の分割を家庭裁判所に請求するのであり、共有物分割の訴えを提起するのではない。
*民法907条2項

2 誤り。本肢では、一旦遺産分割の協議が行われてB及びCの共有となっているので、その共有物をBの単独所有に変更し、CがBから代償金を受け取る場合は、共有物の分割の手続によることになる。
*民法256条

3 誤り。遺産の分割は、遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮してこれをする。したがって、本肢のような方法も、調停又は審判の手続によらなくても行うことができる。
*民法906条

4 正しい。相続人が数人あるときは、相続財産は、その共有に属する。そして、その共有持分がDに譲渡された場合、Dが相続人ではない以上、DとBの共有関係の解消には、共有物分割の訴えの提起を行うことになる。
*民法898条