下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。
マンション管理士 過去問解説 平成23年 問8
【問 8】 マンションにおける紛争を解決するための訴訟の当事者に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、誤っているものはどれか。
1 外壁の瑕疵により区分所有者がこうむった損害に係るマンション業者に対する賠償請求の訴えについては、規約で定めれば、専有部分の賃借人が区分所有者のために、訴訟の原告となることができる。
2 共用部分たるピロティ部分に壁を設置して物置としていた区分所有者に対して当該壁の撤去とその部分の明渡しを求める訴えについては、集会において指定された区分所有者は、集会の決議により、訴訟の原告となることができる。
3 専用使用権のない敷地部分につき有料駐車場として賃貸した区分所有者に対する賃料相当額の不当利得の返還を求める訴えについては、管理者が区分所有者でない第三者であっても、集会の決議により、訴訟の原告となることができる。
4 管理組合法人と理事個人との売買契約に関する紛争については、監事が管理組合法人を代表して、管理組合法人の名において、訴訟を追行することができる。
【解答及び解説】
【問 8】 正解 1
1 誤り。管理者は、規約又は集会の決議により、その職務に関し、区分所有者のために、原告又は被告となることができるが、区分所有者でもない専有部分の賃借人は区分所有者のために、訴訟の原告となることはできない。
*区分所有法26条4項参照
2 正しい。管理者又は「集会において指定された区分所有者」は、集会の決議により、共同の利益に反する行為の停止、その行為の結果を除去について、他の区分所有者の全員のために、行為の停止等の請求の訴訟を提起することができる。
*区分所有法57条3項
3 正しい。管理者は、規約又は集会の決議により、その職務に関し、区分所有者のために、原告又は被告となることができる。これは管理者が区分所有者でない場合でも同様である。
*区分所有法26条4項
4 正しい。管理組合法人と理事との利益が相反する事項については、監事が管理組合法人を代表する。
*区分所有法51条
【解法のポイント】訴訟に関する問題は、定番の問題です。訴訟の原告・被告となることができるものは誰か、というのはまとめておく必要があります。