下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

マンション管理士 過去問解説 平成23年 問3

【問 3】 区分所有者又は管理者からの請求に関する次の記述のうち、区分所有法及び民法の規定によれば、正しいものはどれか。ただし、別段の慣習はないものとする。

1 区分所有者は、自己の専有部分を保存するために必要な範囲において、他の区分所有者の専有部分の使用を請求することができるが、自己の専有部分を改良するためには、このような請求をすることはできない。

2 管理者は、共用部分並びにマンションの敷地及び共用部分以外の附属施設の保存のために、必要な範囲において、区分所有者の専有部分の使用を請求することができる。

3 区分所有者は、マンションの敷地の境界線から50cm以上で1m未満の距離において、外壁に特定の専有部分を見通すことができる窓を設けようとする者に対して、その建築の中止を請求することができる。

4 他の土地の排水設備の閉塞によりマンションの敷地に損害が及び、又は及ぶおそれがあっても、管理者は、他の土地の所有者に障害を除去させ又は必要な予防工事をさせることはできない。

【解答及び解説】

【問 3】 正解 2

1 誤り。区分所有者は、その専有部分又は共用部分を保存し、又は「改良」するため必要な範囲内において、他の区分所有者の専有部分又は自己の所有に属しない共用部分の使用を請求することができる。
*区分所有法6条2項

2 正しい。管理者は、保存行為をする権利を有しているが、その際には共用部分並びにマンションの敷地及び共用部分以外の附属施設の保存のために、必要な範囲において、区分所有者の専有部分の使用を請求することができる。
*区分所有法27条2項参照

3 誤り。境界線から1メートル未満の距離において他人の宅地を見通すことのできる窓を設ける者は、目隠しを付けなければならないという規定はあるが、建築の中止の請求まで行うことはできない。建築の中止を請求することができるのは、境界線から50cm未満の距離に建築物を建築しようとする場合である。
*民法235条

4 誤り。他の土地の排水設備の閉塞によりマンションの敷地に損害が及び、又は及ぶおそれがある場合は、管理者は保存行為として、他の土地の所有者に障害を除去させ又は必要な予防工事をさせることはできる。
*区分所有法26条1項


【解法のポイント】この問題は、解答が肢2か肢4に分かれた問題です。