下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

マンション管理士 過去問解説 平成23年 問2

【問 2】 区分所有者の責任に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、誤っているものはどれか。ただし、規約に別段の定めはないものとする。

1 区分所有者は、管理者がその職務の範囲内において第三者との間にした行為につき、専有部分の床面積の割合に応じて責任を負う。

2 区分所有者は、共用部分の設置又は保存の瑕疵により生じた損害賠償責任につき、共用部分の持分の割合に応じて責任を負う。

3 区分所有者は、その共用部分を保存するため他の区分所有者の専有部分を使用し、その結果、当該他の区分所有者に損害を与えた場合には、その償金につき、共用部分の持分の割合に応じて支払の責任を負う。

4 区分所有者は、管理所有者が共用部分の管理に要した相当な費用及びそれとは別の管理所有者としての報酬につき、共用部分の持分の割合に応じて支払の責任を負う。

【解答及び解説】

【問 2】 正解 4

1 正しい。管理者がその職務の範囲内において第三者との間にした行為につき区分所有者がその責めに任ずべき割合は、専有部分の床面積の割合と同一の割合とされる。
*区分所有法29条1項

2 正しい。各共有者は、規約に別段の定めがない限りその持分に応じて、共用部分の負担に任じる。したがって、区分所有者は、共用部分の設置又は保存の瑕疵により生じた損害賠償責任については、原則として共用部分の持分の割合に応じて責任を負うことになる。
*区分所有法19条

3 正しい。区分所有者は、その専有部分又は共用部分を保存するため必要な範囲内において、他の区分所有者の専有部分の使用を請求することができる。この場合において、他の区分所有者が損害を受けたときは、その償金を支払わなければならない。そして、共用部分を保存するための使用請求であれば、その償金の負担は、区分所有者全員で共用部分の持分の割合に応じて負担すべきである。
*区分所有法6条2項

4 誤り。共用部分の所有者と定められた者は、区分所有者に対し、相当な管理費用を請求することができるという規定はあるが、それとは別の管理所有者としての報酬を請求できるという規定はない。
*区分所有法27条2項、20条


【解法のポイント】この問題は、正解肢の肢4は「ひとひねり」ある肢でしたが、それ以外の肢は条文の問題であり、正解を導くことは十分に可能な問題です。