下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

マンション管理士 過去問解説 平成23年 問1

【動画解説】法律 辻説法

【問 1】 マンション(マンションの管理の適正化の推進に関する法律(以下「マンション管理適正化法」という。)第2条第1号イに規定するマンションをいう。以下同じ。)の一部共用部分に関する次の記述のうち、建物の区分所有等に関する法律(以下「区分所有法」という。)の規定によれば、正しいものはどれか。

1 区分所有者全員の規約で定めれば、共用部分の一部について、これを一部共用部分として、一部の区分所有者が管理するものとすることができる。

2 一部共用部分の管理は、区分所有者全員の規約に定めがあるものを除き、これを共用すべき区分所有者のみで行う。

3 一部共用部分に関する事項で区分所有者全員の利害に関係しないものについての区分所有者全員の規約の設定は、当該一部共用部分を共用すべき区分所有者の1/4を超える者が反対したときは、することができない。

4 一部共用部分の管理のうち、区分所有者全員の利害に関係するものについて、区分所有者全員で管理する場合は、その旨を区分所有者全員の規約で定めなければならない。

【解答及び解説】

【問 1】 正解 3

1 誤り。一部共用部分の管理のうち、区分所有者全員の利害に関係するもの又は区分所有者全員の規約の定めがあるものは区分所有者全員で、その他のものはこれを共用すべき区分所有者のみで行う。したがって、一部の区分所有者が管理するパターンは、区分所有者全員の利害に関係しない場合で、かつ、区分所有者全員の規約の定めがない場合であり、この場合に一部の区分所有者が管理するには、区分所有者全員の規約は不要である。
*区分所有法16条1項

2 誤り。一部共用部分の管理のうち、区分所有者全員の利害に関係するもの又は区分所有者全員の規約の定めがあるものは区分所有者全員で、その他のものはこれを共用すべき区分所有者のみで行う。したがって、区分所有者全員の利害に関係するものは一部の区分所有者が管理することはできない。
*区分所有法16条1項

3 正しい。一部共用部分に関する事項についての区分所有者全員の規約の設定、変更又は廃止は、当該一部共用部分を共用すべき区分所有者の4分の1を超える者又はその議決権の4分の1を超える議決権を有する者が反対したときは、することができない。したがって、一部共用部分を共用すべき区分所有者の1/4を超える者が反対したときは、一部共用部分に関する事項で区分所有者全員の利害に関係しないものについて、区分所有者全員の規約の設定をすることはできない。
*区分所有法31条2項

4 誤り。一部共用部分のうち、区分所有者全員の利害に関係するものについては、区分所有者全員の規約の定めがなくても、区分所有者全員で管理することができる。
*区分所有法16条1項


【解法のポイント】これは、一部共用部分の管理に関する規定の十分の正確な理解を問うものです。マンション管理士の場合には、このような問題を落とすと非常に苦しくなります。