下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

マンション管理士 過去問解説 平成22年 問29

【問 29】 管理組合の役員の選任に関する次の記述のうち、標準管理規約の規定によれば、適切なものはどれか。

1 30階建てマンションの役員の選任について、役員選任細則で「1階から10階、11階から20階、21階から30階の三層ごとの組合員から、それぞれ推薦により選出された役員候補を総会で選任する。」と定めることができる。

2 役員が任期中に欠けた場合には、理事会が決定した補欠役員候補者について賛否を問う回覧板を回し、反対者がいても組合員数の過半数の賛成があれば補欠の役員とすることができる。

3 総会では、その合計人数に相当する役員を、役員の職務を決めずに選任し、役員のうちから、理事会で理事長、会計担当理事、理事及び監事を決定することができる。

4 総会で、定員より多い役員候補者を被選挙人として、各組合員一票の選挙を行い、得票数の多い者から順に定員に達するまで、比較多数を得た者を役員として選任することができる。

【解答及び解説】

【問 29】 正解 1

1 適切。標準管理規約では、総会及び理事会の運営、会計処理、管理組合への届出事項等については、別に細則を定めることができるとされているが、同コメントで、細則は他に、「役員選出方法」、管理事務の委託業者の選定方法、文書保存等に関するものが考えられるとされており、本肢のような方法も定めることができる。
*標準管理規約70条及び第70条関係コメント

2 不適切。役員は、基本的に総会の決議で選任する必要があり、役員が転出、死亡その他の事情により任期途中で欠けた場合、補欠の役員を理事会の決議で選任することができると、規約に規定することもできるとされている。したがって、総会や理事会の決議ではなく、回覧板を回し過半数で決するような方法は認められない。なお、回覧板を回すような方法でも、組合員「全員」の書面による合意があったときは、書面による決議があったものとみなされるので、認められる。
*標準管理規約36条関係コメント④

3 不適切。理事長、副理事長及び会計担当理事は、理事のうちから、理事会で選任するとされているが、監事については役員の互選により決定することはできず、総会の決議による。
*標準管理規約35条3項

4 不適切。理事及び監事は、総会で選任するとされており、また、総会の議事は、出席組合員の「議決権」の「過半数」で決するとされているので、被選挙人に対して、「各組合員一票」としたり、比較多数を得た者を選任するというような方法は認められない。
*標準管理規約35条2項