下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

マンション管理士 過去問解説 平成22年 問26

【問 26】 大規模修繕工事を行う予定の管理組合から相談を受けたマンション管理士が、3年後の大規模修繕工事の実施に向けて説明した次の内容のうち、標準管理規約の規定によれば、適切なものはどれか。

1 大規模修繕工事の実施に当たっては、修繕委員会を設置し、専門家の参加を求めて特定の課題を調査検討させ、その結果を総会に具申させるという方法をとることができます。

2 大規模修繕工事に要する費用については、修繕積立金では不足することから、必要な範囲の借入金で賄うことになりますが、その場合は、組合員総数及び議決権総数のそれぞれ3/4以上の総会の決議が必要となります。

3 大規模修繕工事において、共用部分の配管と構造上一体となった専有部分の配管の取替えが必要となった場合の専有部分に係る費用については、各区分所有者が実費に応じて負担することとなります。

4 大規模修繕工事に際し、専有部分への必要な範囲内での立入りが避けられない場合がありますが立入りをした箇所の原状復旧については、各区分所有者に行っていただきます。

【解答及び解説】

【問 26】 正解 3

1 不適切。理事会は、その責任と権限の範囲内において、専門委員会を設置し、特定の課題を調査又は検討させることができる。そして、専門委員会は、調査又は検討した結果を「理事会」に具申する。総会に具申するのではない。
*標準管理規約55条2項

2 不適切。一定年数の経過ごとに計画的に行う修繕の実施並びにそれに充てるための「資金の借入れ」及び修繕積立金の取崩しについては、総会の決議が必要であるが、この議決要件は出席組合員の議決権の過半数である。
*標準管理規約48条10号

3 適切。専有部分である設備のうち共用部分と構造上一体となった部分の管理を共用部分の管理と一体として行う必要があるときは、管理組合がこれを行うことができる。そして、配管の清掃等に要する費用については、「共用設備の保守維持費」として管理費を充当することが可能であるが、配管の取替え等に要する費用のうち専有部分に係るものについては、各区分所有者が実費に応じて負担すべきものである。
*標準管理規約21条2項及び第21条関係コメント⑦

4 不適切。共用部分等の管理を行う者は、管理を行うために必要な範囲内において、他の者が管理する専有部分又は専用使用部分への立入りを請求することができる。ただし、「立入りをした者」は、速やかに立入りをした箇所を原状に復さなければならない。各区分所有者が原状復旧を行うわけではない。
*標準管理規約23条5項