下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。
マンション管理士 過去問解説 平成22年 問3
【問 3】 マンションの設置又は保存に瑕疵があることにより他人に損害を生じたときに関する次の記述のうち、区分所有法及び民法の規定によれば、誤っているものはどれか。
1 マンションの設置又は保存の瑕疵が、専有部分にあるときにその専有部分の所有者が負う責任も、共用部分にあるときに区分所有者全員が負う責任も、ともに当該部分の所有者に過失がなくても成立する。
2 他人に生じた損害が専有部分の瑕疵によるものか、共用部分の瑕疵によるものか、不明であっても、マンションの設置又は保存の瑕疵によるものであることは、他人である被害者が立証しなくてはならない。
3 マンションの設置又は保存の瑕疵が特定の専有部分にあることが証明されない限り、区分所有者全員が共同して他人に対して責任を負う。
4 マンションの共用部分の設置又は保存の瑕疵により当該マンションの区分所有者が損害を被った場合、その区分所有者は、他人には該当せず、損害賠償請求をすることができない。
【解答及び解説】
【問 3】 正解 4
1 正しい。マンションの設置又は保存の瑕疵による責任は、民法717条の工作物責任であり、工作物責任は、所有者については無過失責任である。
*民法717条1項
2 正しい。一般的に不法行為による損害賠償請求については、その立証責任は請求をする被害者の方にある。しかし、他人に生じた損害が専有部分の瑕疵によるものか、共用部分の瑕疵によるものか、不明の場合は、共用部分の瑕疵によるものと推定されているので、この点については立証する必要はない。しかし、それ以外の損害が「マンションの設置又は保存の瑕疵」によるものであることまで推定されるわけではないので、この点については、被害者が立証しなければならない。
*民法717条1項
3 正しい。建物の設置又は保存に瑕疵があることにより他人に損害を生じたときは、その瑕疵は、共用部分の設置又は保存にあるものと推定する。
*区分所有法9条
4 誤り。共用部分の設置又は保存の瑕疵により「他人」に損害を生じたときは、区分所有者全員が責任を負わなければならないが、この「他人」から区分所有者を排除する理由はなく、区分所有者が損害を受けた場合でも、損害賠償請求をすることができる。
*区分所有法9条参照