下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

マンション管理士 過去問解説 平成21年 問32

【問 32】 管理組合の運営と総会の普通決議(出席組合員の議決権の過半数で決する決議をいう。この問いにおいて以下同じ。)に関する次の記述のうち、標準管理規約の規定によれば、適切なものはどれか。

1 各組合員の共用部分の共有持分は同一でないが、管理費の赤字を補填するため、総会の普通決議により、「組合員に各戸一律5万円を負担してもらう。」こととした。

2 理事会の出席率が悪いので、総会の普通決議により、「理事と同居する親族は、理事を代理して理事会に出席することができる。」との理事会運用細則を制定することとした。

3 総会での普通決議により、管理会社を変更し、併せて、「変更後の管理会社との委託業務費の決定については、予算の範囲内であれば、理事会に一任する。」こととした。

4 総会の普通決議事項について、総会において、複数の案から1案を選択すべく決議を行ったが、どの案も過半数に達しなかったので、「比較多数を得た案に決定する。」こととした。

【解答及び解説】

【問 32】 正解 3

1 不適切。管理費等の額については、各区分所有者の共用部分の共有持分に応じて算出するものとされており、共用部分の共有持分が同一でない場合に「各戸一律5万円」とするのは不適切である。
*標準管理規約25条2項

2 不適切。理事に「事故があり」、理事会に出席できない場合は、その「配偶者又は一親等の親族」に限り、代理出席を認める旨を「規約」に定めることもできるとされているが、単に理事と「同居する親族」というだけで理事会への代理出席を認めることはできない。
*標準管理規約53条関係コメント③

3 適切。理事会の議決事項として「総会から付託された事項」というのがあるので、「委託業務費の決定について予算の範囲内」ということであれば、理事会に一任することができる。
*標準管理規約54条1項9号

4 不適切。総会の議事は、出席組合員の議決権の過半数で決するので、どの案も過半数に達しない場合は、すべての案が否決ということになり、「比較多数を得た案に決定する。」ことは不適切である。
*標準管理規約47条2項