下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

マンション管理士 過去問解説 平成21年 問26

【問 26】 前理事の解任に伴い管理組合法人の集会で新たに選任された理事Aの職務に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、誤っているものはどれか。ただし、前理事の解任の登記は行われていないものとする。

1 Aは、規約で定めれば、集会の決議によらないでも、共同利益背反行為の停止等を請求するための訴訟を提起することができる。

2 Aは、大規模修繕工事について、集会の決議を経て、Aの名前で第三者と工事請負契約を締結することができる。

3 Aは、規約又は集会の決議によって禁止されていないときに限り、特定の行為をマンション管理士に委任することができる。

4 Aは、前理事が、解任後に管理組合を代表して行った取引行為の相手方に対して、その効果が管理組合法人に及ばないことを主張することはできない。

【解答及び解説】

【問 26】 正解 1

1 誤り。共同の利益に反する行為の停止等を請求するための訴訟を提起するには、集会の決議によらなければならない。規約で定めても、管理組合法人の理事がこの訴訟を提起することはできない。
*区分所有法57条2項

2 正しい。理事は、管理組合法人を代表するので、集会の決議を経ているのであれば、Aは、大規模修繕工事について、Aの名前で第三者と工事請負契約を締結することができる。
*区分所有法49条3項

3 正しい。理事は、規約又は集会の決議によって禁止されていないときに限り、特定の行為の代理を他人に委任することができるので、マンション管理士に委任することもできる。
*区分所有法49条の3

4 正しい。管理組合法人に関して登記すべき事項は、登記した後でなければ、第三者に対抗することができない。理事の氏名は登記事項であり、前理事の解任の登記は行われていないので、前理事の取引行為の効果が管理組合法人に及ばないことを主張することはできない。
*区分所有法47条4項