下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

マンション管理士 過去問解説 平成21年 問25

【問 25】 管理組合の集会における委任状の取扱いに関する次の記述のうち、区分所有法及び民法の規定によれば、適切なものはどれか。

1 「集会の議長は、集会において、組合員の中から選出する。」と定めている規約の下では、誰が議長になるかわからないから、議長あての委任状は無効である。

2 集会招集通知に「集会に代理人を出席させる場合は、あらかじめ、その旨を管理組合に届け出なければなりません。」と記載されている場合、その届出がなく集会当日に委任状を持参した者がいても、その委任状を有効とする必要はない。

3 委任状について、代理人の氏名の記載の有無にかかわらず、実際に集会に出席した区分所有者の議案に対する賛否の数に応じてその数を振り分け、議決権を行使させた。

4 一人の区分所有者が2通委任状を提出した場合において、1通は第1号議案用、もう1通は第1号議案を除く他の議案用と明記してあったので、両委任状とも有効として扱った。

【解答及び解説】

【問 25】 正解 4

1 不適切。「集会の議長は、集会において、組合員の中から選出する。」と定めている規約の下であっても、当該委任状は議長あてで、特定しているので有効と考えられる。

2 不適切。「組合員又は代理人は、代理権を証する書面を理事長に提出しなければならない。」旨の標準管理規約の規定があるが、この場合でも「あらかじめ」の届出は要求されておらず、本肢のように集会の「招集通知」に届出を要求する旨の記載があったとしても、その届出がなく集会当日に委任状を持参した者がいても、その委任状は有効と扱うべきである。

3 不適切。少なくとも代理人の氏名の記載のある委任状については、当該代理人の意思に基づいて議決権を行使させるべきであり、「集会に出席した区分所有者の議案に対する賛否の数に応じてその数を振り分け」るような対応は適切とはいえない。

4 適切。一人の区分所有者が内容の矛盾する2通の委任状を提出することは許されないが、本委任状は議案ごとに委任状を提出しており、このような委任状は有効である。