下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

マンション管理士 過去問解説 平成21年 問17

【問 17】 甲マンションの管理組合(管理者A)は、区分所有者Bが管理費を5ヵ月分滞納していたため、Bに対して、何度も支払を督促していたところ、ある日、第三者Cから、「Bの管理費債務については、滞納分も将来分も、すべて私の方でその支払を引き受けることになりましたので、本日以降は私に請求してください。なお、この文書を受け取った旨を管理組合名で速やかにご通知ください。」という内容証明郵便が到着した。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。ただし、AB間で、当該管理費債務について第三者の弁済を許さない旨の特約はなかったものとする。

1 Aは、滞納管理費についてはBに対して請求できるが、新たに発生する管理費債権については、Cに十分な資力があるときは、Cに対してのみ請求することができる。

2 C自らが弁済してBの滞納管理費債務を消滅させることについて利害関係を有する場合、Cが同人の名義で滞納管理費をAの管理費収納口座に振り込んだときは、Aは、それを拒絶してBに支払を求めることはできない。

3 当該郵便到着後に、Bの名義で滞納管理費がAの管理費収納口座に振り込まれた場合、Aは、それをBに返還しなければならない。

4 Aは、Cから求められている当該文書の受領書をCに送付しないときには、Cに対して債務不履行責任を負う。

【解答及び解説】

【問 17】 正解 2

1 誤り。本問のCの通知は、CがBの管理費債務を免責的債務引受している旨の通知であるが、この免責的債務引受は、債権者、債務者および引受人の三者による契約で行われる必要があるので、債権者の管理組合が承諾していない以上、依然として債務者はBのままである。

2 正しい。債務の弁済は、第三者もすることができ、利害関係を有しない第三者は、「債務者」の意思に反して弁済をすることができないが、債権者が弁済を拒否することはできない。
*民法474条

3 誤り。本問のCの通知は、CがBの管理費債務を免責的債務引受している旨の通知であるが、この免責的債務引受は、少なくとも債権者の承諾等が必要なので、債権者の管理組合が承諾していない以上、依然として債務者はBのままであるから、B名義の振込みは有効な弁済であり、Aは、それをBに返還する必要はない。

4 誤り。債務不履行責任は、契約関係にある者同士で問題になるが、Cからの通知は一方的に送られてきたものであり、Aが文書の受領書をCに送付しないからといって、AがCに対して債務不履行責任を負うことはない。
*民法415条