下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

マンション管理士 過去問解説 平成21年 問16

【問 16】 甲マンションの区分所有者が管理費を滞納している場合における管理組合(管理者A)の滞納管理費の請求等に関する次の記述のうち、民法、民事執行法及び民事再生法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 滞納者に滞納管理費の支払を命ずる判決が確定すれば、当該滞納者が勤務している法人について民事再生手続きが開始されたときでも、Aは、滞納者の給料債権を差し押さえることができる。

2 専有部分を共有している姉妹が滞納者である場合において、Aがその一人に対して滞納管理費の全額を請求したときは、他の共有者に対しても、その請求の効力が生じる。

3 滞納者が死亡し、二人の子が各1/2の割合で相続した場合において、その相続人の一方が相続を放棄し、他方が単純承認すると、Aは、単純承認した相続人に対して、滞納管理費の1/2しか請求できない。

4 滞納者が法人でその代表者が管理費の支払について連帯保証をしていた場合において、当該法人に滞納管理費の支払を命ずる判決が確定したときは、Aは、その判決を債務名義として、当該法人の代表者の個人財産に強制執行をすることができる。

【解答及び解説】

【問 16】 正解 1

1 正しい。給料債権は、一般の先取特権がある債権となり、これは民事再生法上、一般優先債権となる。そして、一般優先債権は、再生手続によらないで随時弁済され、民事再生手続の影響は受けないので、滞納者の給料債権を差し押さえることができる。
*民事再生法122条

2 誤り。専有部分が共有されている場合の管理費債務は、不可分債務になる。したがって、一方に対する履行の請求は、他方に対して効力を生じない。
*民法430条

3 誤り。相続人の一方が相続の放棄をすると、他方は単独で相続することになるので、滞納管理費については、相続した方が全額負担しなければならない。
*民法939条

4 誤り。債務者の財産に強制執行を行うには、判決のような債務名義が必要となるが、本肢の判決は法人に対するものであり、連帯保証人である代表者に対するものではないので、法人に対する債務名義を持って、直ちに連帯保証人に強制執行を行うことはできない。
*民事執行法23条