下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

マンション管理士 過去問解説 平成21年 問6

【問 6】 マンション(マンションの管理の適正化の推進に関する法律第2条第1号イのマンションをいう。以下同じ。)の屋上部分の一部を携帯電話会社に電波基地局設置のために賃貸すること及びそれに伴う電波基地局設置工事(この問において「電波基地局設置」という。)並びに共用部分の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。)に関する次の記述のうち、区分所有法及び民法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1 電波基地局設置について、管理者は、集会の決議を経て、民法第602条に定める期間を超えて賃貸借期間を10年とする契約を締結することができる。

2 電波基地局設置が共用部分の変更に当たるかどうかは、その形状又は効用の著しい変更を伴うか否かを基準として判断され、費用の多寡は考慮されない。

3 電波基地局設置が専有部分の使用に特別の影響を及ぼすときに必要な承諾は、当該専有部分が賃貸されている場合は、賃借人から得なければならない。

4 電波基地局設置が共用部分の変更に該当する場合の集会における決議要件については、規約によって、区分所有者の定数を2/3とすることができる。

【解答及び解説】

【問 6】 正解 3

1 正しい。民法602条を超える期間の賃貸借も、共用部分の処分ではなく、管理に関する事項として普通決議事項となる(判例)。
*区分所有法18条1項

2 正しい。共用部分の変更は、その形状又は効用の著しい変更を伴うかどうかで判断され、費用の多寡を問わない。
*区分所有法17条1項

3 誤り。共用部分の変更が専有部分の使用に特別の影響を及ぼすべきときは、その専有部分の「所有者」の承諾を得なければならない。賃借人のような占有者の承諾を得るわけではない。
*区分所有法17条2項、18条3項

4 正しい。共用部分の変更が軽微変更に該当する場合は、規約によって決議要件を変更することができる。また、重大変更においても、本来は区分所有者及び議決権の3/4以上の集会の決議であるが、区分所有者の定数は、規約でその過半数まで減ずることができるので、いずれにしても本肢は正しい肢となる。
*区分所有法17条1項、18条2項