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マンション管理士 過去問解説 平成19年 問29

【問 29】 管理者である理事長に管理費等の横領などの不正の疑いがあり、かつ、通常総会の招集すらしないので、他の役員や組合員は、理事長を解任する方法を検討している。この場合にとり得る方法等に関する次の記述のうち、標準管理規約及び区分所有法の規定によれば、適切でないものはどれか。

1 組合員が、標準管理規約第44条の規定に基づき、理事長の解任を目的とする臨時総会の招集を請求したにもかかわらず、理事長が応じないときは、その者が臨時総会を招集して、その総会において理事長の解任の決議を行う方法。

2 理事会が、理事会決議により、理事長の職を解任し、かつ、理事としての資格を失わせ、改めて理事の互選により新たな理事長を選任する方法。

3 監事が、臨時総会を招集して、理事長の不正について報告し、その総会において理事長の解任の方法について検討すること。

4 一人の区分所有者が、裁判所に対し、理事長に不正な行為があるとしてその解任を請求する方法。

【解答及び解説】

【問 29】 正解 2

1 適切。組合員が組合員総数の5分の1以上及び議決権総数の5分の1以上に当たる組合員の同意を得て、総会の招集を請求したにもかからず、理事長が総会の招集通知を発しない場合には、総会の招集請求をした組合員は、臨時総会を招集することができる。この臨時総会において理事長の解任決議を行えばよい。
*標準管理規約44条2項

2 不適切。「理事」は、「総会」の決議によって、組合員のうちから選任し、又は解任する。また、理事長は、理事会の決議によって、理事のうちから選任し、又は解任する。したがって、「理事会」の決議で「理事」としての資格を失わせることはできない。
*標準管理規約35条2項

3 適切。監事は、管理組合の業務の執行及び財産の状況を監査し、その結果を総会に報告しなければならず、管理組合の業務の執行及び財産の状況について不正があると認めるときは、臨時総会を招集することができるので、その臨時総会において理事長の解任の方法について検討することは適切である。
*標準管理規約41条3項

4 適切。管理者に不正な行為その他その職務を行うに適しない事情があるときは、各区分所有者は、その解任を裁判所に請求することができる。
*区分所有法25条2項