下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。
マンション管理士 過去問解説 平成19年 問17
【問 17】 区分所有者Aは、甲マンション管理組合(管理者B)に対し、管理費(20万円)を滞納したまま死亡した。Aに、妻C並びにAC間の子D及びEがいる場合の滞納管理費の請求等に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。ただし、C、D及びEはいずれも単純承認をし、また、相続人間における20万円の負担の合意についてBの同意はなかったものとする。
1 Bは、遺産分割前の場合、C、D又はEのいずれかに対し、20万円を請求することができる。
2 Bは、相続人間で20万円をCが負担するとの合意がなされた場合でも、Cに対し10万円、D及びEに対し各5万円を請求することができる。
3 Bは、相続人間で20万円を法定相続分どおり負担するとの合意がなされた場合でも、C、D又はEのいずれかに対し、20万円を請求することができる。
4 20万円に係る債権の消滅時効は、遺産分割が行われた時から進行する。
【解答及び解説】
【問 17】 正解 2
1 誤り。C、D又はEは、Aの金銭債務を相続しているが、このような債務は当然に各相続人の相続分に応じて分割される(判例)。したがって、Bは、C、D又はEのいずれかに対し、20万円全額を請求することはできない。
*民法899条
2 正しい。C、D又はEは、Aの金銭債務を相続しているが、このような債務は当然に各相続人の相続分に応じて分割される(判例)。したがって、Cは20万円×1/2=10万円、D及びEは、20万円×1/4=5万円をそれぞれBから請求されることになる。
*民法899条
3 誤り。C、D又はEは、Aの金銭債務を相続しているが、遺産分割の前であっても、このような債務は当然に各相続人の相続分に応じて分割される(判例)。したがって、Bは、C、D又はEのいずれかに対し、20万円を請求することはできない。
*民法899条
4 誤り。滞納管理費に係る債権は、債権者が権利を行使することができることを知った時から5年間行使しないときには、時効によって消滅する。したがって、当該管理費の支払い日から消滅時効は進行し、これは相続などが起こっても変わらない。
*民法166条1項