下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

マンション管理士 過去問解説 平成19年 問11

【問 11】 管理組合法人が解散する場合の残余財産の帰属に関する次の記述のうち、区分所有法及び民法の規定によれば、誤っているものはどれか。ただし、規約に別段の定めはないものとする。

1 建物に専有部分がなくなったことにより解散した管理組合法人の残余財産は、区分所有法第3条の団体に帰属する。

2 建物の全部の滅失により解散した管理組合法人の残余財産は、各共有者の専有部分の床面積の割合により各区分所有者に帰属する。

3 集会の決議により解散する管理組合法人の残余財産は、区分所有法第3条の団体に帰属する。

4 建替え決議に基づき建物を取り壊すことにより解散する管理組合法人の残余財産は、各共有者の専有部分の床面積の割合により各区分所有者に帰属する。

【解答及び解説】

【問 11】 正解 1

1 誤り。解散した管理組合法人の財産は、規約に別段の定めがある場合を除いて、共用部分の持分割合と同一の割合で各区分所有者に帰属するのであって、管理組合に帰属するわけではない。
*区分所有法56条

2 正しい。解散した管理組合法人の財産は、規約に別段の定めがある場合を除いて、共用部分の持分割合と同一の割合、つまり専有部分の床面積の割合で各区分所有者に帰属する。
*区分所有法56条

3 正しい。管理組合法人の解散事由は、1.建物の全部の滅失、2.建物に専有部分がなくなったこと、3.集会の決議であるが、3.の集会の決議による解散の場合は、なお区分所有者の団体が存続するから,規約に別段の定めがない限り、管理組合に帰属し、各区分所有者の分割請求を許さないと解すべきである。
*区分所有法56条

4 正しい。建替え決議に基づき建物を取り壊すことにより管理組合法人が解散する場合は、管理組合法人の解散事由の「建物の全部の滅失」に該当し、規約に別段の定めがある場合を除いて、共用部分の持分割合と同一の割合、つまり専有部分の床面積の割合で各区分所有者に帰属する。
*区分所有法56条


【解法のポイント】管理組合法人の問題は、条文が結構あって、条文をしっかり読み込むことが重要ですが、肢3については、条文通りの内容ではなく、条文の「解釈」によって、解説のように考えられています。その意味では、ちょっと難しい問題でした。