下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

マンション管理士 過去問解説 平成19年 問6

【問 6】 敷地利用権が数人で有する所有権である場合において、区分所有者が死亡したときの専有部分及び当該専有部分に係わる敷地利用権の帰属等に関する次の記述のうち、区分所有法及び民法の規定並びに判例によれば、誤っているのはどれか。ただし、受遺者はいないものとし、また、規約に別段の定めはないものとする。

1 相続人も特別縁故者もいない場合においては、国に帰属する。

2 特別縁故者がいる場合においては、相続人が確定し、相続財産の清算手続きが終了したときに、当該特別縁故者への財産分与の対象となる。

3 特別縁故者がいないが相続人がいる場合において、相続人の全員が相続を放棄したときは、国に帰属する。

4 専有部分が共有である場合において、相続人がいないときは、当該専有部分の他の共有者に帰属し、特別縁故者に分与されることはない。

【解答及び解説】

【問 6】 正解 4

1 正しい。敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利である場合には、民法の「持分の放棄及び共有者の死亡の場合に他の共有者に持分が帰属する」旨の規定は、敷地利用権には適用されない。したがって、区分所有者が死亡した場合に、相続人も特別縁故者もいない場合は、区分所有権は国に帰属し、敷地利用権も国に帰属することになる。
*区分所有法24条

2 正しい。相続人の捜索の公告によっても相続人としての権利を主張する者がないときは、相当と認めるときは、家庭裁判所は、特別縁故者の請求によって、これらの者に、清算後残存すべき相続財産の全部又は一部を与えることができる。相続人が確定し、相続人が存在するときには特別縁故者への財産分与はない。
*民法958条の3

3 正しい。相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなされ、その結果相続人がいなくなり、特別縁故者もいない場合は、その相続財産は、国庫に帰属する。したがって、本問専有部分及び敷地利用権は国庫に帰属する。
*民法959条

4 誤り。相続人がいない場合、相当と認めるときは、家庭裁判所は、特別縁故者の請求によって、これらの者に、清算後残存すべき相続財産の全部又は一部を与えることができるので、専有部分が共有の場合であっても特別縁故者がいれば、特別縁故者に分与されることもある。
*民法958条の3